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2016年12月06日 13時54分

オーストリアのウィーンで「肺癌研究のための国際協会」が開催中の第17回世界肺がん学会議において、研究および臨床ケアの世界的第一人者から、支援団体や地域社会を重視したヘルスケアモデルを発表

世界の肺がん研究者や患者支援活動者が本日、新しいケア提供モデルを提唱し、肺がん撲滅にはがんのケアが重要な役割を果たすと訴えました。この発表はオーストリアのウィーンで開催された第17回IASLC世界肺がん学会議(WCLC)の1日目に行われました。
VIENNA, AUSTRIA, Dec 6, 2016 - (JCN Newswire) - 世界の肺がん研究者や患者支援活動者が本日、新しいケア提供モデルを提唱し、肺がん撲滅にはがんのケアが重要な役割を果たすと訴えました。この発表はオーストリアのウィーンで開催された第17回IASLC世界肺がん学会議(WCLC)の1日目に行われました。

コロラド大学のLaurie Gaspar氏は、患者と医師がSDM (shared decision making: 意思決定共有)を行うことで、がん治療についてのコミュニケーションが改善されると報告しました。SDMによる患者と医師の合意は、肺がん治療に望まれる目標のひとつです。さらに、SDMによる患者と医師の合意は、PDA (patient decision aid: 患者の意思決定への支援)の活用によってさらに改善されます。

Gasparが、化学療法などの全身療法の意思決定について肺がん患者へのアンケートを実施したところ、意思決定が困難であり(58%)、テストをするかどうか(34%)も難しいという回答が共通していました。困難の原因は、情報不足(44%)、情報と医師の助言の矛盾(34%)でした。

回答した患者190人の大半は、SDMを希望すると答え、ひとりで決めたいと述べたのはわずか9%でした。PCI PDAを見た90人の回答者のうち、61%の患者はこのような意思決定支援は有用だろうと感じています。

「患者の直面する困難のひとつは、ある医師の考えを他の医師と比べてどのくらい重視すべきかという悩みです。」と、Gasparは述べました。「この悩みを軽くする方法のひとつが、医師全員が一緒に患者ケアについて議論する学際的プロセスです。」

米国ヒューストンのBaptist Cancer CenterのRaymond Osarogiagbon博士は、医療サービス提供が不十分な地域に重点を置くセンター・オブ・エクセレンス(COE)モデルを活用すれば、それらの地域でも医師の肺がん患者の早期診断が可能になり、大学病院と同等の肺がん治療を実施できると報告しました。

「肺がん患者の5人に4人は、地元の病院で治療を受けており、トップクラスの大学病院と同等のケアを受けていません。したがって、我々が肺がん治療のあり方を変えたいなら、患者が治療を受ける場所のあり方を変えねばなりません。」と、彼は述べました。

Osarogiagbon博士は、COEとは、マイノリティや医療を十分に受けていない患者集団を治療することの多い地域の病院におけるケアの標準を設定する肺がん患者中心のモデルであると説明しました。COEプログラムはすでに3年間運用されており、現在は医療が十分でない地域にある13カ所の病院が参加しています。

COEプログラムでは、診断時の進行段階、分子診断、腫瘍症例検討会、診断から治療までの時間、治療タイプ、治験への参加など、医療の質に関する患者データを追跡しています。また、診察を受けた患者の総数、年齢や性別などの内訳、保険の種類、分子試験の割合と結果といった各種指標など、プログラムの背景にある状況を知るための施設データも測定されます。データはCOEプログラムの影響を実証するために、COEコミュニティ全体について、および比較グループとの差について分析されます。

「COEモデルの肺がん患者は、一流の研究病院でケアを受けている患者と、同等の転帰を示しています。」と、博士は述べました。

記者会見の最後に、ハワイ大学のMichele Carbone博士から、新しい中皮腫研究について、中皮腫ワークショップのサマリーが発表されました。Carbone博士は以前、BAP1遺伝子が変異した時に、特定の家族で中皮腫が発生すると特定しました。記者会見で彼は、まずトルコから研究を拡大して、現在は中国を中心にしていると説明しました。研究結果は、2017年にIASLCのJournal of Thoracic Oncologyで公表予定です。

WCLCについて

WCLCは、肺がんなどの胸部悪性腫瘍関連では世界最大の会議で、100か国以上から6,000人以上の研究者、医師、スペシャリストなどが参加します。この会議の目的は、肺がんに関する意識を向上し、コラボレーションや理解を促進し、参加者の皆様が全世界の最新研究の成果を取り入れやすくすることです。今回の学会は「肺がん撲滅のために団結を」というテーマの下、幅広い分野を取り扱い、いくつかの研究と知見の結果を発表します。詳しくは http://wclc2016.iaslc.org/ をご覧ください。

IASLCについて

肺癌研究のための国際協会(IASLC)は、肺がん研究を専門とする唯一のグローバル団体です。協会の設立は1974年で、会員には100か国以上5,000人以上の肺がん専門家がいます。詳しくは www.iaslc.org をご覧ください。

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