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2017年01月05日 10時08分

アストラゼネカ株式会社、EGFR T790M血漿検査結果の倫理提供に関するお知らせ

アストラゼネカは、2017年1月5日より、タグリッソ(R) 40mg/80mgのコンパニオン診断薬「コバス(R)EGFR変異検出キットv2.0」(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)を用いたT790M血漿検査結果の倫理提供(T790M血漿検査結果提供プログラム)を開始することと致しましたのでお知らせします。
Osaka, Japan, Jan 5, 2017 - (JCN Newswire) - アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:デイヴィド・フレドリクソン、以下、アストラゼネカ)は、2017年1月5日より、タグリッソ(R) 40mg/80mg(一般名:オシメルチニブメシル酸塩、以下、「タグリッソ(R)」)のコンパニオン診断薬「コバス(R)EGFR変異検出キットv2.0」(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)を用いたT790M血漿検査結果の倫理提供(T790M血漿検査結果提供プログラム)を開始することと致しましたのでお知らせします。

本取り組みは、既存の腫瘍組織採取によるT790M遺伝子変異検査の実施が困難な上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)に耐性を示す患者さんの緊急の治療ニーズを支援する倫理的観点から、2016年12月26日に薬事承認されたコバス(R)EGFR変異検出キットv2.0によるT790M血漿検査が保険適用されるまでの期間、タグリッソ(R)が納入または採用されている医療施設に限定して、アストラゼネカがT790M血漿検査結果を無償提供するものです。

アストラゼネカの代表取締役社長デイヴィド・フレドリクソンは、次のように述べています。「EGFR遺伝子変異が確認されEGFR-TKI治療の耐性を獲得した患者さんのおよそ40%は、既存の組織検体による遺伝子検査が実施できないために、適切な治療の機会を逸していることが懸念されています1。当社はこのような患者さんの治療へのアクセスを改善するために、EGFR T790M血漿検査結果を倫理提供することと致しました。本取り組みにより、ひとりでも多くの患者さんが早期に最適な治療を開始できることを強く望みます」。

[本プログラム実施概要]
名称: T790M血漿検査*結果提供プログラム*
開始日: 2017年1月5日
終了日: コバス(R)EGFR変異検出キットv2.0を用いたT790M血漿検査の保険適用日前日**
対象施設: 以下のいずれかの要件を満たす施設
1. タグリッソが納入されている施設
2. タグリッソが薬事審議会等の院内規定に基づいて正式採用又は仮採用(臨時採用等含む)されている施設
対象患者: 以下の全ての要件を満たす患者
1. EGFR-TKIに抵抗性の手術不能又は再発非小細胞肺癌患者
2. 腫瘍組織の採取(再生検)が困難なため、T790M組織検査を実施できない患者
3. T790M血漿検査を用いた臨床研究等により、検査費用が負担されていない患者
*コバスEGFR変異検出キット v2.0による血漿検体を用いた遺伝子変異検査(血漿検査)
**予測困難な諸般の事情により、やむを得ず本プログラムを中止することがあります。

[本プログラム実施の背景]
アストラゼネカは、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「タグリッソ(R)錠40mg/80mg」(一般名:オシメルチニブメシル酸塩、以下、本剤)を「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を効能・効果とし、2016年5月25日より販売を開始致しました。
本剤は、治療開始前に十分な経験を有する病理医又は検査施設において患者さんのEGFR T790M変異陽性を確認する必要があり、検査にはEGFR T790M遺伝子変異検査(コンパニオン診断薬名:コバス(R)EGFR変異検出キットv2.0、以下、T790M検査)が用いられます。

T790M検査は、組織検体もしくは血漿検体を用いて行われますが、現在本邦においてタグリッソのコンパニオン診断薬として承認され、保険適用の対象となっているのは組織検体によるT790M検査のみです。再生検による腫瘍組織の採取は侵襲性を伴うため、患者さんの状態や腫瘍径や再発部位によっては組織採取が困難な場合があり、EGFR-TKI耐性獲得患者さんのおよそ40%は、T790M組織検査を受けられず、治療機会を逸してしまう可能性があります[1]。

アストラゼネカは、これらの患者さんに早期の治療機会を提供する方法について、倫理的観点および医薬品医療機器等法、その他関連法規等に基づき検討した結果、血漿検体によるT790M検査が保険適用されるまでの期間、タグリッソ(R)が納入または採用されている医療施設に限定して血漿検査の結果を無償提供することが、患者さんの利益に資する妥当な手段であると判断しました。

アストラゼネカは、患者さんの人生を変える革新的な新薬の開発に注力するとともに、患者さんの治療環境の整備にも貢献していきます。

コバス(R)EGFR変異検出キット v2.0 について
「コバス EGFR 変異検出キットv2.0」は、DNA中の上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子のエクソン18、19、20、および21中の42変異を検出するキットです。リアルタイムPCR法を測定原理とし、全自動核酸増幅・検出装置「コバス 4800 システム コバス z 480」を用いて定性的に判定します。生体由来の組織から抽出したDNA中のEGFR遺伝子変異を検出することで、非小細胞肺がん患者のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)投与前の初回検査に使用します。またコンパニオン診断薬として、癌組織または血漿から抽出したDNA中のEGFR T790M変異を検出することで、EGFR-TKI治療後に薬剤耐性を示したEGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん患者に対して「タグリッソ(R)」適応の判定補助に使用できます。

タグリッソ(R)錠40mg/80mgについて
「タグリッソ(R)錠40mg/80mg」(一般名:オシメルチニブメシル酸塩、以下、「タグリッソ(R)」)は、「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を効能・効果として、2016年3月28日にアストラゼネカが国内製造販売承認を取得し、同年5月25日より販売を開始した抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤です。本剤は、承認取得後から薬価収載前日までの期間、治療選択肢が極めて限られるT790M変異陽性の患者さんのアンメットニーズに早急に応えるという倫理的観点から、「保険外併用療養費制度」のもとで無償提供され[2]、治験実施37施設において290名の患者さんの治療に貢献しました。また、第lll相国際臨床試験(AURA3試験)における標準的化学療法群との比較において有意にPFSを延長したことから[3]、「肺癌診療ガイドライン2016年版」(日本肺癌学会発行)において、Ⅳ期非小細胞肺癌の二次治療の上皮成長因子受容体 (EGFR) T790M変異陽性例(PS0-1)に対し、推奨グレードAに掲載されています。タグリッソは、肺癌治療における薬剤耐性の課題に応え、個別化医療を進展する新たな治療選択肢として、これまで、米国・欧州を含む40以上の国で承認を取得しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する最低6つの新薬および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、New Oncologyをアストラゼネカの6つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核的な能力に加え、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるように、当社は戦略を加速する革新的な提携および投資を積極的に追求していきます。

アストラゼネカについて
詳細については http://www.astrazeneca.com をご覧ください。

[1] Kawamura T, Kenmotsu H, Taira T, et al. Rebiopsy for patients with non-small-cell lung cancer after epidermal growth factor receptor-tyrosine kinase inhibitor failure. Cancer Sci. 2016 Jul;107(7):1001-5
[2] https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2016/20160328.html
[3] Mok TS, Wu YL, Ahn MJ, et al. Osimertinib or Platinum-Pemetrexed in EGFR T790M-Positive Lung Cancer.
N Engl J Med. 2016 Dec 6. DOI: 10.1056/NEJMoa1612674

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