Tokyo, 2013年12月13日 14時15分 - (JCN Newswire) - 昭和電工株式会社(社長:市川 秀夫)は、本日、2011 年から開始した5 か年の中期経営計画の後半となる2014 年と2015 年の2 年間の戦略PEGASUS PhaseII(ペガサス フェーズII)を発表しました。
1.PEGASUS Phase IIの概要
中期経営計画ペガサスは、ギリシャ神話に登場する翼を持つ天馬をイメージとし、当社の成長を牽引する主力事業ハードディスク(HD)、黒鉛電極(GE)の両事業をペガサスの両翼に擬した成長戦略です。
ペガサス後半のフェーズIIにおいては、HD、GE の両製品を主力事業とする当初の基本戦略に変更はありません。しかし、前提である事業環境が大きく変化していることから、フェーズIIにおいては、両事業については体制を整え、ペガサス後の展開に備える時期とします。
また今回、事業ポートフォリオを見直し、新たに「成長」事業を設置しました。これにより、ペガサスの事業ポートフォリオは当初の「成長・育成」、「基盤(成長)」、「基盤(安定)」の3領域から、「新規(育成)」、「成長」、「基盤(成長)」、「基盤(安定)」の4領域に変更となります。
これらのペガサスの深化により、当社全般の収益力改善を図ることを、フェーズIIの主要課題と位置づけ、戦略を遂行します。
2.PEGASUS Phase IIの計数計画
フェーズI(2011 年‐2013 年)の業績は、記録的な円高や東日本大震災に伴うエネルギーコストの上昇などの個別要因に加え、先進国経済の停滞や新興国の成長鈍化に伴う需給悪化による出荷量の減少などの影響により、当初の利益目標を大幅に下回る結果となりました。2013 年の当初目標が売上高1 兆円、営業利益800 億円であったのに対し、本年7 月29 日に発表した業績予想では売上高8,500 億円、営業利益260 億円としています。
フェーズII最終年の2015 年は、2013 年の業績予想に対し、売上高1,000 億円増の9,500 億円、営業利益240 億円増の500 億円の計数計画としました。(表、2015 年セグメント別売上高、営業利益は参考を参照)
2013 年比での2015 年の営業増益額240 億円の要因別の内訳は、コストダウン200億円、数量差90 億円、為替差40 億円の増益と、価格差40 億円およびその他の要因による50 億円の減益となっています。なお、フェーズII期間中の諸元は、円ドルレートを100 円/US ドル、ナフサ価格を65,000 円/klとして織込んでいます。
表 Phase II計数目標(億円)
2013修正予想**:
売上高: 8,500/営業利益: 260/当期純利益: 100/ROA(%)*: 2.7
2014計画:
売上高: 8,800/営業利益: 320/当期純利益: 140/ROA(%)*: 3.2
2015計画:
売上高: 9,500/営業利益: 500/当期純利益: 250/ROA(%)*: 5.0
* 総資産営業利益率 **2013 年7 月29 日発表
フェーズII期間中の設備投資額は1,050 億円(2014 年600 億円、2015 年450 億円)、また減価償却費は800 億円を見込みます。事業ポートフォリオ別では「基盤(成長)」と「成長」事業に全体の約55%を配分する予定です。
また、フェーズII期間中は将来の成長に向けた設備投資に加えてM&A 等に関する資金需要も予想されることから、2015 年末時点で有利子負債残高は、2013 年末に比較し100 億円増加の3,700 億円、D/E レシオは1.1 倍を目標とします。また、2015 年には300億円のフリーキャッシュフローの創出を見込みます。
3.PEGASUS Phase IIの戦略
当社は2013 年比240 億円の増益を達成する施策として、(1)海外展開の加速、(2)「基盤(安定)」事業の収益性向上、(3)コストダウン、(4)M&A、アライアンスの4項目を実行します。
フェーズII最終年の2015 年における2013 年比の営業増益額240 億円を海外と国内別に区分すると(1)の施策である海外展開の加速等の海外要因により90 億円を実現し、その他の国内要因は150 億円となります。増益額の事業ポートフォリオ別の内訳としては、「基盤(安定)」110 億円、「成長」70 億円、「基盤(成長)」20 億円、「新規(育成)」40 億円となりますが、(2)の施策の収益性向上策の実施により、「基盤(安定)」事業の営業増益110 億円を達成します。また、(3)の施策であるコストダウンにより、先述のとおり200 億円の営業増益を見込みます。
(1)海外展開の加速
フェーズI期間中はGE の中国拠点の買収や高純度アルミ箔の中国拠点新設などの海外展開を行ってきました。フェーズIIにおいては、半導体高純度ガスやアルミニウム缶等の海外展開を積極化することで当社事業の海外での成長を加速します。これらの海外展開により、2013 年比で90 億円の営業増益を見込みます。
(2)「基盤(安定)」事業の収益性向上
フェーズI期間中に低下した「基盤(安定)」事業の収益性の改善を重点施策とします。特に、1)製品・技術の開発・高度化、 2)新たな需要・市場の開拓、3)事業拠点の統合、4)設備更新による競争力向上、5)電力資源の有効活用の5点を重点テーマとして挙げています。
特に1)製品・技術の開発・高度化においては、レアアースのジスプロシウムを使用しない合金や、ブタジエン新製法の開発などに注力します。また、事業拠点の統合についても、小規模なグループ生産拠点の再編などを進めます。
これらの施策の実施により「基盤(安定)」の国内事業で75 億円、同海外事業で35 億円の合計110 億円の営業増益を実現します。
(3)コストダウンを引き続き実施
2013 年比で240 億円の営業増益を実現する土台となるのはコストダウンの200 億円です。このコストダウンを着実に進めることにより収益性の改善を図ります。200 億円の内訳は、定常的コストダウン活動による70 億円に加えて、戦略的な対応として130 億円を追加しています。
重点項目としては、HD などのエレクトロニクス分野での生産性の向上による40 億円、アルミナ事業の再構築による30 億円などです。
(4)M&A、アライアンス
当社は今後の新規事業機会の獲得手段として、M&Aやアライアンスを積極的に活用します。フェーズⅠにおいてはGE、化学品、石油化学、セラミックス分野においてM&A、アライアンスを具体化しました。フェーズIIでは、他領域も含め検討を進めます。
4.PEGASUS Phase II主要事業の戦略
(1)「基盤(成長)」事業
「基盤(成長)」のHD、GEについて、フェーズIIにおいては次期中期経営計画(ポスト・ペガサス)での事業成長に向けた助走期間と位置づけます。
HD に関しては、PC からサーバーへのアプリケーションシフトに伴うHDD の需要減少により、HD についても短期的には需要の停滞がありますが、ドライブ1台当たりのメディア使用枚数がPC 向けに比べ多いサーバー向けが伸長することにより、中期的にメディアの需要増が見込まれます。当社は今後、需要の増加が期待できるサーバー向けのメディア事業拡大を図るため、アルミ製基板からメディアまで一貫して生産する強みを生かし、生産性の向上を進めます。また、高容量化対応としての、SMR( Shingled Magnetic Recording:瓦書き記録方式)、TAMR(Thermal Assisted Magnetic Recording:熱アシスト記録方式)の量産化に向けた技術開発を推進します。
GE はSDKC の能力増強工事を、2014 年下期に完工させ、量産出荷を開始する予定です。中国の過剰な鉄鋼生産等により中国、ASEAN 地区において厳しい需給バランスが続くことが想定されますが、欧州経済の底打ちや堅調な米国経済等の要因により緩やかに回復する需要にともない、今後、SDKC の生産数量は来年中に稼働を開始する能力増強分を含め徐々に増加し、稼働率についても改善を見込みます。
(2)「成長」事業
高い成長を見込めるアルミニウム缶、高純度アルミ箔、半導体高純度ガス、機能性化学品の4事業を、今回、「成長」事業として新たに位置づけ強化を図ります。
アルミニウム缶に関しては、少子高齢化等の要因により国内市場は成熟化が進んでいますが、人口が増加し、所得水準も向上しつつあるアジアでの需要は依然として高成長が期待されます。当社は、今後、拡大するアジア新興市場をターゲットに本事業を推進します。
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