2012年06月11日 17時45分
アンリツネットワークス株式会社

マイクロバースト問題を解決する帯域制御技術を開発

平成24年6月11日

アンリツネットワークス株式会社
アンリツ株式会社

双方向10Gbpsの最大スループットとマイクロバースト問題の解決を実現する次世代帯域制御技術を開発
-INTEROP TOKYO 2012に参考出展-

アンリツネットワークス株式会社(社長:舟橋 伸夫、アンリツ株式会社の100%子会社)は、10GbE(※1)対応次世代帯域制御(※2)技術を開発いたしました。
10GbE対応次世代帯域制御技術は、高速大容量化が進展しているデータセンターやクラウドサービス(※3)において、企業毎/拠点毎/アプリケーション毎にバーストトラフィック(※4)対策を提供し、サービス利用者に使用帯域を保証する技術です。アップリンク/ダウンリンク(※5)の双方向で最大スループット10Gbps(※6)を実現しており、専用線並みの品質の仮想回線を用いてネットワークサービスを提供できます。
さらに、本技術には独自に開発したパラレル帯域制御エンジン(注)を搭載しており、マイクロ秒オーダー(※7)の高精度パケットスケジューリング(※8)が可能となります。これにより、広域イーサ網/WANやモバイルブロードバンドネットワークにおいて通信障害の要因となるマイクロバースト(※9)を平滑化でき、パケットロスの大幅な低減が可能。10GbEの広帯域において、遅延が起こりにくい安定した通信環境を実現できます。
今後、アンリツネットワークスは、帯域制御装置の販売・技術支援・保守を担当しているSCSK株式会社との連携により、本帯域制御技術を搭載したPureFlow シリーズの商用化を進めてまいります。

パラレル帯域制御エンジン
新規開発のパラレルパケットスケジューリング技術を搭載し、従来の10倍となる性能を実現した高精度帯域制御機能。

※PureFlowは、アンリツネットワークス株式会社の登録商標です。

[開発の背景]
東日本大震災を機に企業のBCP対策が加速し、IT分野ではデータセンターやクラウドサービスの利用が普及しています。
こうしたサービスでは、様々な企業が同一のサービス事業者の回線設備を利用することなることから回線内を流れるデータトラフィックが急増しています。また、移動通信分野においても、スマートフォンやタブレット端末の急増により、モバイルデータトラフィックが増大しています。
このため、情報通信業界では高速大容量の10GbE回線設備の導入が加速していますが、今後もデータ通信のリッチコンテンツ化は加速する一方であると予測されていることに加え、予測不能なパケットロスを引き起こすマイクロバーストの頻発が顕在化しており、10GbE回線設備に対応した高精度帯域制御技術のニーズが高まっています。
アンリツネットワークスはSCSK株式会社と協業し、トラフィックシェーパーPureFlow GS1シリーズによる帯域制御装置ビジネスを展開してまいりました。
今回、上記市場動向を踏まえ、100M/1Gbps回線対応トラフィックシェーパーPureFlow GS1シリーズで
蓄積してきた技術を基盤に、10GbE対応の帯域制御装置で必要とされているアップリンク/ダウンリンクでの双方向最大スループット10Gbpsおよびマイクロバースト問題の解決を可能とする独自のパラレル帯域制御技術を開発いたしました。

[INTEROP TOKYO 2012出展]
アンリツネットワークスは、SCSK株式会社との共同ブースにより参加するINTEROP TOKYO 2012(6月13日~6月15日 幕張メッセ)にて、今回開発した10GbE対応次世代帯域制御技術のデモンストレーション展示を実施いたします。

<デモンストレーションの概要>
サーバから瞬間最大10Gbpsのマイクロバーストを送出し、10GbE対応次世代帯域制御装置(参考出展)にて最適なパケット間隔でシェーピング転送がされる様子をご覧いただけます。
※アンリツ製データクオリティアナライザ MD1230Bによって、サーバ疑似トラフィック送出、1ms解像度モニタリングします。

<デモンストレーションのポイント> 
・マイクロバーストによって中継伝送機器(L2SW)にてパケットロスが発生する事象と、そのマイクロバーストを次世代帯域制御技術によって平滑化することでパケットロスが解消されることが確認できます。
・また、データクオリティアナライザ MD1230Bの10GbE対応アプリケーショントラフィックモニタ(参考出展)によって、マイクロバーストや平滑化されたトラフィックをリアルタイムに可視化することができます。

[用語解説]
※1 10GbE:10 Gigabit Ethernet
1秒間に100億個のデジタル信号を伝送できるイーサネット。

※2 帯域制御
インターネット回線でサービス毎に使用する帯域(回線容量)や最低伝送レート(通信速度)の値を設定すること。

※3 クラウドサービス
企業、個人などが自身で保有・管理しているサーバではなく、インターネット上にあるサーバのコンピュータ処理を使用できるサービス。利用者は、サーバの購入設置費用やデータ管理の手間が不要となる。

※4 バーストトラフィック
(アクセスの集中などで)瞬間的に増大するトラフィック。

※5 アップリンク/ダウンリンク
アップリンク:ネットワークの末端側から中心側へ向かう方向の回線。
ダウンリンク:ネットワークの中心側から末端側へ向かう方向の回線。

※6 10Gbps:10 Gigabit per second
1秒間に100億個のデジタル信号を伝送できる速さ。

※7 マイクロ秒オーダー
100万分の1秒単位

※8 パケットスケジューリング
ネットワーク機器において、パケットをそれが属するグループに応じたレートで送出すること。

※9 マイクロバースト
バーストトラフィックの中でも、ミリ秒単位でのサンプリングでしか発見できない大量のIPパケットの固まり。
サーバからIPネットワーク機器の処理能力を超えるパケット量が送出されると、パケットロスが生じ、サービス品質の劣化やサービス障害を引き起こす場合がある。

<連絡先>
アンリツ株式会社
コーポレート コミュニケーション部 中村 昭一郎 瀬戸上 大介
TEL:046(296)6671

本リリースについての技術問合せ先
アンリツネットワークス株式会社
プロダクトビジネス統括部 第1プロダクト部 西澤 政樹 壷井 裕嗣
TEL:03(5320)3565