2014年12月12日 15時14分
昭和電工

昭和電工:当社事業 本年の成果と2015年の戦略

Tokyo, 2014年12月12日 13時40分 - (JCN Newswire) - 昭和電工株式会社(社長:市川 秀夫)は、本日、本年の経営状況と2015年の事業戦略に関する説明会を開催しました。説明会内容の骨子につきまして、次のとおりお知らせします。

1. 2014年12月期業績見通しと2015年の業績イメージ

(1) 当期の業績見通し(12月12日発表)
当期は、エレクトロニクスセグメントは堅調に推移する一方、石油化学セグメントにおいて原油価格下落による製品価格急落と原料ナフサ受払差の発生の影響を大きく受け、また、アルミニウムセグメントでは地金価格高騰の影響もあり、通期業績予想を修正いたします。(詳細は本日発表のリリースをご参照ください。)

(2) 2015年の業績イメージ
世界経済を見ると、米国経済の成長には力強さが見られますが、欧州経済は期待した回復は遅れており、中国の経済成長は減速感が強まるなど、世界経済の成長は緩やかな成長となる見通しです。日本経済についても、為替・原油価格の動向や消費税を含む税制、電力価格の上昇懸念など、2015年の経済環境は不透明感を増しています。

このような厳しい経営環境を前提として、諸条件を織込み試算した2015年連結業績のイメージは、売上高9,600億円、営業利益400億円、当期純利益は150億円と、2014年対比で大幅に改善する見込みです。

なお、2015年業績予想は2014年決算発表時に正式に発表いたします。

【計数計画】
2014今回予想/2015イメージ/2015PhaseII計画*
売上高: 8,850億円/9,600億円/9,500億円
営業利益: 250億円/400億円/500億円
当期純利益: 50億円/150億円/250億円
ROA: 2.5%/4.0%/5.0%

* 2015PhaseII計画は2013年12月発表値。

【2015年織込み条件】
1) 為替: 115円/USD
2) 景気:
- 国内: 緩やかに成長
- 海外: 米国 成長拡大、中国 成長鈍化が常態化

2. 2015年の事業戦略

当社は、中期経営計画「PEGASUS(ペガサス)」PhaseIIにおいて、「グローバル市場で特徴ある存在感を持つ化学企業」になることを目指しています。

2011年からのペガサス期間中に、戦略・施策面では事業の再構築を確実に実施し、当社の収益基盤の強化を図りました。ペガサス最終年となる2015年はGE(黒鉛電極)、アルミニウム缶、半導体用高純度ガスなどの2014年までに実行した海外投資プロジェクトの効果を確実に顕現させると同時に、成長事業を中心に新規プロジェクトを検討・実行します。

3. 主要事業の戦略

(1) 基盤(成長)

1) ハードディスク(HD)
HDドライブ(HDD)の2015年の出荷台数は2014年並みの水準が見込まれます。タブレット、スマートフォンなどへの切り替えも一段落し、特に先進国市場におけるPC需要は、底堅く推移するものと予想されています。HDメディアに関しては、PC用途からサーバー用途へのアプリケーション・シフトが進み、ニアラインサーバー向けでの需要が本格化するにつれ、アルミメディアの需要が増加しています。また、足元ではアルミ基板の需給がひっ迫しています。

当社は、HDDの記憶容量を左右するキーパーツであるメディアにおいて、これまで世界最高クラスの製品をいち早く市場に投入してまいりました。今後も“ベスト・イン・クラス”をモットーに、HDメディア事業のさらなる強化を図ります。

2) GE
顧客業界である電炉鋼の需給は、中国での鉄鋼過剰生産の解消には時間を要するものの、米国は旺盛な需要が継続すると見られることから、中国を除いた世界のGE工場の稼働率は2017年頃までには80%程度まで回復すると見ています。

2015年は原料価格のコストダウン徹底と販売価格の是正を推進いたします。また、米国拠点については、本年10月に能力増強工事を完了しており、来年上期から能力増強部分の量産を開始する予定です。世界最新鋭の設備によるコスト競争力を生かし、収益向上を着実に図ります。

(2) 成長

1) アルミニウム缶
国内のビール系飲料の需要は徐々に減少する傾向にありますが、海外、特に所得水準の向上が著しい中国、アジア、インドにおいては、ビール系飲料缶市場は高い成長が見込まれます。当社は、本年ベトナムの製缶メーカーを買収し、2015年には缶蓋のラインを新設する予定であり、ベトナム市場への拡販を本格的に進める予定です。

このベトナム事業の拡大により、当社のグローバルでのアルミニウム缶販売を2013年比で30%増を図ります。

2) 半導体用高純度ガス
東アジアにおける半導体デバイス、LED、液晶については高成長が持続することが見込まれます。当社では、アンモニア、亜酸化窒素、塩素、臭化水素の4製品を主力に、全世界の需要の8割が集中する東アジアの各拠点においてマトリックス展開を進めます。今後も、既存製品群の拡販・用途拡大、プラントの新増設、事業提携・M&Aに加えて、サプライチェーン網の整備を進め、アジア市場における高純度ガスのトップメーカーとしての地位を盤石なものにし、事業の拡大を図ります。

3) 機能性化学品
主力の自動車用部材分野のほか、住宅や工場設備などの分野において、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などの各製品の需要は、中国やASEAN市場での伸長が見込まれます。当社はすでに製造拠点を持つ中国、タイでの供給体制の強化を進めます。また、生分解性プラスチック ビオノーレ(R)に関しても、欧州や中国における環境規制の施行により、本格的な市場の立ち上がりが期待されることから、能力拡充を進め、新たな市場の開拓と創出を行います。

4) 高純度アルミ箔
高純度アルミ箔については、成長が鈍化する国内市場においては、当社はお客様の期待に応える高機能の製品開発とともに、一段の生産性の向上を図ることにより、国内でのポジション強化を図ってまいります。

また、特に拡大が見込まれる中国市場においては、南通新拠点の生産量を2015年1月から月産600トンに増強します。これまで順調に販売数量は伸びており、今後は生産性の改善等を図り、効率化を達成するとともに、現地メーカーへの拡販を図ります。

(3) 基盤(安定)

1) 石油化学
2015年の需給バランスは今年に引き続き堅調に推移し、エチレンプラント稼働率も年間を通じて高水準で推移する想定です。一方、原料市況は不安定な状況が続くと予想されます。また、中長期的には、アメリカにおけるシェールガス・オイル原料による石油化学計画が遅れる傾向にもあり、中国においては成長が鈍化したとはいえ、引き続き石化基礎製品の需要は拡大が続くことから、需給バランスは堅調に推移すると見ています。

大分コンビナートは、コンビナート内に競争力の高い誘導品を数多く有しており、場内の需給バランスが安定しています。安全・安定操業とフル稼働の継続に加え、今年6月に新設、稼働しましたコスト競争力のある酢酸エチル新製法プラントをはじめとした有機化学品事業の収益向上、石油精製など他社との地域内連携、ショウレイアル(R)などの誘導品事業の拡充などの強化策を間断なく進めます。

2) セラミックス
セラミックス事業は、研削材・研磨材、フィラー材、切削加工用の超高圧製品、コンデンサー向け酸化チタン、抗菌・抗ウイルス用途の光触媒など、多様な製品群を有しており、各製品ともに国内外で高いポジションにあります。

国内では、本年10月に子会社の昭和電工セラミックス株式会社と東北金属化学株式会社を合併し、昭和電工セラミックス株式会社富山工場に東北金属化学株式会社の鏡面研磨材事業を移管することにより、生産体制の効率化を図りました。また、子会社の名古屋研磨材工業株式会社と塩尻昭和株式会社は、2015年1月に昭和ファインセラミックス株式会社として合併します。また、横浜事業所でのケミカルアルミナの生産は、インドネシアにある合弁会社での生産に切り替えます。

当社のセラミックス製品群の競争力をさらに高め、世界でもトップの地位を占めるべく、セラミックス事業の競争力強化を図ります。

(4)「新規(育成)」事業

SiCパワー半導体は、省エネルギーのキーデバイスであり、中長期的な需要の伸長が見込まれています。当社はSiCパワー半導体に使用するエピタキシャルウェハーにおいて、世界最高レベルの品質を誇る製品を供給しています。今後も品質の向上を図るとともに、本年10月に実施しました6インチ品の量産能力の増強など、SiCパワー半導体の本格的普及に向けた供給体制の整備を進めます。

4.「ポストPEGASUS」の策定

2015年中に次期中期経営計画を策定します。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.sdk.co.jp/assets/files/news/2014/20141212_sdknewsrelease_2_j.pdf

概要: 昭和電工株式会社

詳細は www.sdk.co.jp をご覧ください。

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