2015年11月12日 15時15分
Kilopass Technology, Inc.

米国Kilopass Technology社がIoTデバイス向けに画期的なメモリ技術を発表

SAN JOSE, Calif., Nov 12, 2015 - (JCN Newswire) - 半導体向け組込み用不揮発メモリ(eNVM:embedded Non-Volatile Memory)の知的財産(IP:Intellectual Property)の大手プロバイダである米国Kilopass Technology, Inc.(以降Kilopass)は、現在利用可能なeNVM技術と比べて消費電力を10倍低減できる新NVM技術、X2Bit(TM)ビットセルをARM TechConにて発表します。

特許出願中のX2Bitビットセルは、2015年第2四半期以降、実シリコンで実証されてきました。低電力が必要とされる「モノのインターネット(IoT)」デバイスに最適で、かつ大容量のIPマクロであるGusto(TM)というIP製品が、2016年第1四半期に販売開始されます。

Kilopassは、2001年以来他社に先駆けて、1トランジスタ(1T)、1.5T、2T、3T、3.5T等全てのアンチヒューズ型ワン・タイム・プログラマブル(OTP:一回書き込み)のeNVM技術に取り組んできました。この度、長年に渡って実績があるビットセル・トポロジーである2Tビットセル向けに新しいプログラミング手法を適用し、10倍もの低消費電力を実現しました。

「X2Bitビットセルは、最高のイノベーションの結晶です。不揮発メモリ業界でキャリアを形成してきた私にとっても驚くべき製品技術だと言えます。」と、Kilopass最高技術責任者のHarry Luanは語っています。さらに「従来比10倍という低消費電力化が、新しいIoT市場にとって重要であることは明らかです。しかもビットセル・アーキテクチャ、トポロジー、レイアウトなど一切変更せずに低消費電力化を実現させているので、ライセンシーの皆様は現場でのテストや検証を行わずにすぐに市場投入できるメリットが得られます。これは本当に素晴らしいことです。」とコメントしています。

X2Bitビットセル技術

X2Bitビットセルは、現行のXPM(TM)、Gusto-2(TM)、ならびにSecretCode(TM)という OTP製品内で使われている既存のビットセルと構造上は同じです。しかしこの新ビットセルは、特許出願中の新しいプログラミング手法を使用することで、さらに低いターンオン電圧(メモリのビットセル「1」が、ビットセル「0」と区別させるための電流を生成する電圧)を実現しました。例えば、IoTデバイスでよく使用されている55nm技術では、従来のKilopass OTPビットセルのターンオン電圧は通常1V以上でした。しかしX2Bitビットセルでは、ターンオン電圧が1Vよりはるかに低くなっています。その結果、X2Bitビットセルを搭載したKilopassのIP製品は、半導体メーカーの最新の超低電力(ULP:Ultra-Low-Power)プロセスで使用される0.75V程度のコア電圧で動作します。

「X2Bitという新たなメモリのビットセルの将来性に興奮を隠しきれません。」と、KilopassマーケティングVPのLinh Hongはコメントしています。さらに「X2Bitビットセルという技術は、標準ロジック・プロセス向けのアンチヒューズ型NVM IPの開発を飛躍的に進展させるステップと言えます。これは、業界で求められている厳しいコスト削減、低電力、高パフォーマンス、高集積度というニーズに対応するための、私たちが取らなければならない次のステップと考えています。」と述べています。

実装上のメリット

X2Bitビットセルは、読込み電流が10uA/MHz未満の次世代IoTデバイスに最適です。今まで利用可能なeNVM技術では、同等の動作条件で通常100uA/MHzを消費していました。今回のX2Bitビットセルはプログラミング条件の最適化技術により、ターンオン電圧を低く抑えています。この特許出願中の技術によって、チャネルの中心というよりむしろソースやドレイン領域に向かった局所的な制御が実現できるので、N-MOSトランジスタの書き込みプログラム化で形成される抵抗の特質をよりオームの法則へと近づけることができます。

ここで二つのメリットが考えられます。一つ目は低消費電力化です。消費電力は動作電圧の2乗に比例するので、読込み電圧を3分の2に低下させることで10倍もの低消費電力が実現できます。二つ目の重要ポイントはチャージポンプや電圧レギュレータが不要になる点です。ターンオン電圧を低下できるので、メモリのマクロはチップ内の動作電圧そのままで動作させることができるからです。

入手方法

Kilopassは、65nmの製造技術で、X2Bitビット・セルのミニアレイの試作品を完成させました。この最初の製品は、X2Bitビットセルを使用した次世代Gustoとなる見込みです。2016年第1四半期にテープアウトを予定しています。価格は別途お問い合わせください。また、X2Bitビット・セルの詳しい活用法については、 info@kilopass.com へご連絡ください。

KilopassのARM TechCon出展について

Kilopassは、米国カリフォルニア州サンタクララのサンタクララ・コンベンションセンターで開催されるARM TechCon (ブース#827)に出展し、11月11日(水)と11月12日(木)の午後11時から午後6:30まで、X2Bitビット・セルのデモを行います。

Kilopassについて

Kilopass Technology, Inc.は、組込み用不揮発メモリ(NVM)の知的財産(IP)をライセンスするトップ企業の一社です。既に特許が取得されている技術であるワン・タイム・プログラマブル(OTP:一回書き込み) NVMは、最先端CMOSプロセス技術に対応したスケーラビリティ、すなわち微細化に比例して微小化が実現でき、さらには大容量のデータを保持できる拡張性を持っています。大手ファウンドリやIDM (integrated device manufacturer)へのポータビリティや移植性が容易であり、高集積度、高密度、低コスト、低消費電力、高信頼性、秘匿性・耐タンパ性・高セキュリティが求められている市場ニーズに対応します。Kilopassの技術は数多くの大手企業で採用されております。産業用機器、自動車、家電、モバイル、アナログならびにミックス・シグナル、モノのインターネット(IoT)等に170社以上のお客様、500種以上のチップ設計、そして100億個に達する製品ユニットに組み込まれています。詳しい情報は www.kilopass.com をご覧いただくか、メール( info@kilopass.com )でお問い合わせください。

なおKilopass (@kilopass_)でTwitterのフォローができます。

詳しい情報は、下記にお問い合わせください。
Nanette Collins
Kilopass Technology PR担当
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Kilopass Technology
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