2016年02月09日 14時42分
YPO

YPO調査:アジア地域は緩やかな成長軌道、同地域のCEOの信頼感が高まる

HONG KONG, Feb 9, 2016 - (JCN Newswire) - アジア地域のCEOの景況感を測る経済指標であるYPO Global Pulse アジア信頼感指数は、過去5期にわたり10ポイント低下した後、1月に2.4ポイント上げ59.7ポイントでした。アジア信頼感指数は現在59.3ポイントの水準で、58.0ポイントで安定的に推移するグローバル指数よりもわずかに高い水準となっています。これは、アジアの経済信頼感が過去2年間に低下したものの、現在はグローバル信頼感と足並みをそろえていることを示しています。

http://www.acnnewswire.com/topimg/Low_YPO160209.jpg

同地域でYPOリーダーの信頼感が高まったことは、中国経済の減速および原油価格の急落に起因する世界的株安を考えると、驚くべきことのように見えます。世界の投資家はこれらを低成長の兆候と懸念しましたが、アジアのYPO会員による信頼感は3ヶ月前よりも高い水準です。信頼感の上昇は中国で最も顕著に現れ、景況感は52.0ポイントから10.0ポイント上げ62.0となりました。

MTQ Corporationの最高経営責任者(CEO)でYPOシンガポール支部会員であるBoon Wee Kuahは、次のように述べています。「原油価格の急落は実際は、アジアにおける経済活動の大きな刺激剤となる可能性があります。とりわけ、アジアの経済大国である中国、日本、インド、韓国に加え、台湾、タイは原油輸入国であり、原油価格急落の大きなメリットを受けられます。ガソリン価格が下がることで、消費者はその他の商品やサービスにより多くのお金を費やすことができます。」

世界的には、2015年第4四半期にYPO Global Pulse信頼感指数は、ほぼ変わらず58.0ポイントで、世界的な景気後退最中の2011年第3四半期以来の過去最低値を記録しました。米国の信頼感指数は0.8ポイント下げ59.1となりました。一方、アフリカは3.3ポイント下落し51.0ポイントでした。欧州連合(EU)はほぼ変わらず、0.3ポイント上げ60.5ポイントとなりました。経済信頼感に上昇が見られたのはアジアとラテンアメリカのみでした。アジアでは2.4ポイント上昇し59.7ポイントとなり、ラテンアメリカでは4.8ポイント増加し54.4ポイントを記録しました。

この信頼感指数は、3大地域における販売、雇用、投資信頼感指数を融合したものです。アジア経済が減速するにつれ、米国および欧州経済は着実に回復し、3つの指標の見分けがつかないポイントまで回復しました。グローバル指標は2年前には一般的であった63.0-64.0ポイントの範囲を依然下回っていますが、これは来る年の緩やかな成長と一致する健全な水準です。

アジアにおける重要な調査結果

2016年の見通しは、販売、雇用、固定資産投資で改善しました。
アジアのCEOは、今後12ヶ月間における主要3指標の見通しについて、信頼感を強めています。YPOアジア販売信頼感指数は1月に3.5ポイント上昇し66.4ポイントとなりました。CEOの67%が来る年における売上高の増加を予測しています。アジア雇用信頼感指数は1月に1.2ポイント上昇し57.0ポイントとなりました。この値は依然、過去2年間に報告された水準をわずかに下回りますが、CEOの32%が来る年に人員を増やすとの見通しを示しています。アジア投資信頼感指数は、10月に想定よりも早いペースで進む中国経済の減速への懸念から6.5ポイント下げたのち、1月に2.9ポイント上げ60.9ポイントとなりました。回答者の半数近く(45%)が今後12ヶ月間における固定資産投資の増加を予測しています。

地域別調査結果

東南アジア

ASEAN諸国のCEOは、経済が弱体化しているにもかかわらず、より楽観的な見通しを持っています。
東南アジア地域において、CEOの経済信頼感は回復し、7.6ポイント増加し60.2ポイントとなりました。

アジアの新興国経済は、中国経済の減速、そして急激な米ドル高などの影響で、生産コストが上昇し、需要が低下し、経済活動が縮小し、困難に直面しています。また、中国はASEAN諸国、韓国、日本からの商品の主要な輸入国であり、中国における経済活動のペースが鈍化することで、これらの国々は大きな影響を被ります。

こうした新興国経済のもろさは、過去6年間で最低水準に落ち込んだ前期のASEAN諸国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなど)のYPO Global Pulse信頼感指数でも明らかでした。

今期、ASEAN諸国のYPO会員による信頼感は、販売、雇用、固定資産投資の見通しにおいて、著しく増加しました。ASEAN諸国のYPO販売信頼感指数は9.8ポイント上昇し67.8ポイントとなり、また固定資産投資は9.1ポイントと目を見張る上昇となり64.4ポイントを記録しました。雇用の見通しもまた、5.2ポイント上げ60.6ポイントとなり、楽観的な見方を示しました。

北アジア

中国におけるCEOの信頼感は1年間低下したのち回復しています。
1月のアジア全域における信頼感の上昇は中国で最も顕著に現れ、景況感は52.0ポイントから10.0ポイント上げ62.0となりました。

中国のYPO会員による信頼感は62.0ポイントで、インドや日本などのアジアの他の経済大国よりも高い水準です。昨年4月IMF発表の見通しどおりに、2015年、中国のGDP成長率は6.8%でした。過去2年間に徐々に人民元が切り下げられ、輸出を強化し、国内成長率のさらなる低下を抑止するための対策が講じられました。中国株については、上海総合指数で測定されたとおり、過去15ヶ月間で30%上昇し、アジアにおける緩やかな成長の前兆を示しています。

南アジア

インドにおけるCEOの信頼感は継続的に低下しています。
インドにおけるCEOの信頼感はさらに1.5ポイント下げ60.8ポイントでした。中国経済の減速およびコモディティ価格の下落が懸念されるなか、これは8期連続の低下となります。

オーストララシア

オーストララシア(オーストラリア、ニュージーランド、周辺の島々の総称)では、建設、生産、サービスセクターのCEOの信頼感は、わずかに低い水準となりました。
オーストララシアにおけるCEOの信頼感は、1月に1.0ポイント下げ58.2ポイントでした。

全体的に、すべての主要セクターのCEOの信頼感は1年前と比べて、やや低い水準でした。今後6ヶ月間の見通しを尋ねたところ、生産セクターにおけるオーストララシアのCEOのうち42%が、今後6ヶ月間に経済状況は改善すると回答しました。一方、建設、サービスセクターにおけるCEOは、それほど楽観的ではありませんでした。

YPO Global Pulse信頼感指数

2016年1月の最初の2週間に実施したこの四半期ごとの電子調査では、アジアの229人を含む世界中の最高経営責任者1,994人から回答を集めました。この調査の方法論や世界各地の結果に関する詳細については、www.ypo.org/globalpulse をご参照ください。

YPO について

YPO(Young Presidents' Organization)は非営利組織で、共通する使命「Better Leaders Through Lifelong Learning and Idea ExchangeTM」のもと、世界中の若い経営者をネットワークで結んでいます。1950年に創設されたYPO は、今では世界130カ国以上、23,000人のビジネスリーダーおよびその家族を繋ぎ、独自の体験や莫大な教育リソースへのアクセス、世界的な機関との連携、またビジネス、コミュニティ、個人的なリーダーシップをサポートする専門的なネットワークを提供しています。全体として、YPO会員が運営する企業において、世界中で1,500万人以上の人々が雇用され、年間に6兆ドルを超える売り上げを記録しています。詳細については、 www.ypo.org をご覧ください。

本プレスリリースの文言は翻訳されたもので、いかなる場合も公式版とはみなされないこととします。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンである英語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

お問い合わせ先:
YPO (Young Presidents' Organization)
Linda Fisk
オフィス: +1-972-629-7305 (米国)
携帯: +1-972-207-4298
press@ypo.org

リリース配信代行:
JCN 株式会社
Tel: 03-5791-1821
Email: info@japancorp.net