2016年02月18日 17時03分
The Linux Foundation

Linux Foundation、モノのインターネット(IoT)向けリアルタイムオペレーティングシステム構築プロジェクトを発表

SAN FRANCISCO, CA, Feb 18, 2016 - (JCN Newswire) - オープンソースを通じて大規模イノベーションを実現する非営利団体のThe Linux Foundationは、Zephyr(TM) Projectを発表しました。このオープンソースコラボレーティブ施策では、業界全体のリーダーを集結し、モノのインターネット(IoT)向けのリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)を構築します。

Zephyr Projectの早期サポートには、Intel(R) Corporation (買収したアルテラ・コーポレーションやウインドリバーも含む)、NXPセミコンダクターズN.V. (先日合併したフリースケールを含む)、シノプシス、UbiquiOS Technology Limitedなどが参加しています。Zephyr Projectは、この技術に関心を持つ他の企業の皆様にも参加を呼び掛けています。

産業用および消費者用IoTデバイスには、シームレスな接続を実現する拡張可能でセキュアなソフトウェアが必要です。開発者にはまた、どのようなアーキテクチャでも組み込みデバイスと容易に統合できる高度にモジュール化されたプラットフォームを活用してイノベーションを行う能力が必要です。Linuxは、組み込み環境で広く成功したオペレーティングシステムとしての実績がありますが、一部のIoTデバイスには非常に小さなメモリフットプリントに対応するRTOSが必要です。これは、世界でもっとも複雑なコンピューティングシステムに不可欠なインフラを提供する、データ取得システムや製造プラントなどの時間要件の厳しい機器で勝るリアルタイムLinuxを補完するものです。

「プラットフォームに関しては、現在開発者に多くの選択肢があります。Zephyr Projectでは、IoTデバイス向けに最小のフットプリントをサポートするモジュール化されたコネクテッドオペレーティングシステムを提供します。」と、The Linux Foundationでエグゼクティブ・ディレクターを務めるJim Zemlinは述べました。「開発者の皆様はIoTの進歩のため、ぜひZephyr Projectに貢献し、カスタマイズ可能な組み込みオープンソースRTOSの進化を支援してください。Linux Foundationがこのプロジェクトを主催することで、Linuxとこのコミュニティの間でクロスプロジェクトコラボレーションが進むことを期待しています。」

組込みIoTデバイス用のシステム構築では、モジュール性とセキュリティが主な考慮事項となります。Zephyr Projectではこれらの機能を最優先に、RTOSをそのまま使用するか、ソリューションをカスタマイズするかを自由に選べるようにします。プロジェクトのセキュリティ重視策では、セキュリティ専門作業部会や専任のセキュリティ保守担当者などを予定しています。幅広い通信およびネットワーキングサポートへの対応も行い、当初はBluetooth、Bluetooth Low Energy、IEEE 802.15.4などを扱い、徐々に通信およびネットワーキングサポートを拡張する予定です。

Zephyr Projectの目的は、オープンソースおよび組込み開発者コミュニティからのインプットを組み込み、RTOSでの協業を推奨することです。プロジェクトにはまた、ベストインブリードのIoT向け組み込み技術として、Zephyr RTOSの進歩に役立つ強力な開発者ツールも含まれます。Zephyr Projectでは、当初次のプラットフォームをサポートし、徐々に幅広いアーキテクチャサポートも含む予定です。

- Arduino 101(x86およびSynopsys(R) ARC(R) EMを含むIntel(R) Curie(TM) Module)
- Arduino Due(Atmel SAM3X8E ARM Cortex-M3 CPU)
- Intel(R) Galileo(TM) Gen 2
- NXP FRDM-K64F Freedomボード(Kinetis K64F ARM(R) Cortex(R)-M4 MCU)

The Zephyr Projectでは、ドイツのニュルンベルクで開催されるEmbedded World 2016のブースにこの技術を出展し、デモやブース内セッションを行います。また、中央ヨーロッパ標準時2月24日(水)午前10:30には、「IoTの様相を変えるオープンソースRTOS」と題したプレゼンテーションをセッション19で実施します。プロジェクトの参加方法について詳しくはブース4-349にお越しください。Zephyr Projectについて詳しくは www.zephyrproject.org をご覧ください。

Zephyr Projectの早期サポーターからのコメント

インテル
「インテルではZephyr Projectによって、ネット対応および組込みデバイス市場に多大な影響を与えられると考えています。Zephyr Projectでは拡張性の高いカスタマイズ可能でセキュアなオープンソースOSを提供することで、ネット対応デバイス開発のニーズの増大に対応します。イノベーションを前進させるベストオブブリードのOSを開発するため、Zephyrコミュニティとの協業を予定しています。」
-- インテル社オープンソース技術センター組込みオペレーティングシステムエンジニアリング部門ソフトウェアおよびサービスグループ部長兼VP、Mark Skarpness

NXP
「Zephyrが、ネット化された世界に対応して特にセキュリティに考慮して設計された使いやすい主流のIoTプラットフォームとなることを、たいへん期待しています。私たちは、革新的ソリューションの開発に必要なクラス最高のツールとサポートを、開発者に提供することに力を入れています。」
-- NXP社マイクロプロセッサ本部長兼SVP、Geoff Lees

シノプシス
「Zephyr Projectでは、現在のリソース制約の大きいセキュアなIoTデバイスの要件を満たし、業界がサポートするオープンソースRTOSの需要増大に対応します。このコラボレーティブ施策に参加し、Synopsys ARCベースのIoT IPプラットフォームのサポート提供などで、プロジェクトの進歩に貢献することを光栄に感じています。」
-- シノプシス社IPおよびプロトタイピングVP、John Koeter

Linux Foundationについて

Linux Foundationは、世界一流の開発者や企業が、オープン技術開発や商業的普及の短期化のためのエコシステムの構築に選ぶ団体です。市場最多の共同技術投資を創出して、世界のオープンソースコミュニティとともに、困難な技術的問題の解決を行っています。2000年に設立されたLinux Foundationは現在、オープンソースプロジェクトの規模を拡大するため、ツール、研修、イベントなどを提供としています。これらは、ひとつの企業だけでは成し遂げられないほどの経済的な影響を与えています。詳しい情報は www.linuxfoundation.org をご覧ください。

The Linux FoundationおよびLinux Standard Baseは、The Linux Foundationの商標です。LinuxはLinus Torvaldsの登録商標です。

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