2018年04月23日 13時29分
株式会社AQU先端テクノロジー総研

量子コンピュータ、特化型中心に2025年に1兆円突破のグローバル市場に !

量子コンピュータ市場は、一部製品化が始まったばかりだが、特化型中心に急速に
市場拡大してゆくと予測。7 年後の2025年には1兆円突破のグローバル市場になる、
と先端テクノロジーの調査会社、AQU 先端テクノロジー総研(代表、子安克昌)は、予
測、分析している。

この調査分析は、同社発刊の、『量子コンピュータの開発動向と市場予測に関する調
査 - A I ビジネスを加速させる量子コンピュータの市場予測、需要探索- 』
http://www.aqu.com/quantum/ に反映されている。

量子コンピュータは、AI ディープラーニングとの連携でAI 市場を加速させる。このた
め、量子コンピュータによる産業革命への期待、ビジネスチャンス創出に期待する声
が多い。

市場ではIBM、Google 、Microsoft 、Intel 、NTT 、Alibaba などの大手IT 企業や、
D-WaveSystems などのスタートアップが積極的に開発製品化を進めており、テスト導
入、無料のクラウドサービスによる需要開拓、共同研究、ソフト・アプリ開発などが進展
している。中には無料で量子コンピュータ向けの開発者キットを提供、量子コンピュー
ティングについての深い知識がなくても、量子コンピュータ向けアプリが開発できる(30
量子ビット搭載量子コンピュータシミュレータ)システムを提供しているMicrosoft のよう
な市場喚起へ向けた動きも出てきている。

いっぽう、量子コンピュータ周辺領域でも、量子の特性を生かした、画期的な技術開
発が創出されているのが注目される。

たとえば、量子コンピュータではないが、量子現象に着想を得たデジタル回路を搭載
する疑似的な量子コンピュータであるデジタルアニーラ(富士通)の場合は、組み合わ
せ最適化問題を得意とし、高速計算が可能、スーパーコンピュータ「京」をもってして
も実に8 億年の計算時間が必要となるケースが、1 秒以内で計算できてしまうという。
また、量子の性質を応用した探索アルゴリズムとして、連続値量子アニーリングという
技術を創出したケース(デンソーと東北大学の共同研究)もある。これは、量子コンピュ
ータそのものではなく、通常のPC でも使える新技術である。(将来的には組み込み型
の可能性もあると考えられる。)

このように、量子コンピュータ市場は、量子現象の特性を生かし、従来のコンピュータ
技術との融和をはかりながら、市場のすそ野が拡大してゆく可能性が高い。事実、
IBM では、ハイブリッド方式によるシステム化を提案している。

量子コンピュータの開発製品化や、量子現象に着目した研究開発は、AI ビジネス市
場を、より発展させることにもつながっており、加速しつつある開発の今後の動向が注
目される。