2020年12月10日 14時37分
昭和電工

昭和電工、“統合新会社の長期ビジョン(2021~2030)”を策定

東京, 2020年12月10日 - (JCN Newswire) - 昭和電工株式会社(以下、「昭和電工」といいます。)はこの度、昭和電工マテリアルズ株式会社(以下、「昭和電工マテリアルズ」といいます。)との統合(以下、「統合新会社」といいます。)により目指す“統合新会社の長期ビジョン(2021~2030)”(以下、「長期ビジョン」といいます。)を策定いたしました。

昭和電工は、2020 年 4 月 28 日に同社を連結子会社とした後、昭和電工と昭和電工マテリアルズを早期に統合し、将来に向けた成長の基盤を確立するため、長期ビジョンの検討を進めてまいりました。

昭和電工および昭和電工マテリアルズは、統合新会社として、今後もグローバル競争の激化や市場構造の変化が予想される化学産業において顧客企業に新たな機能・価値を提供し続け、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

1. 統合新会社の長期ビジョン、長期シナジー

(1) 存在意義(パーパス)と目指す姿

統合新会社としての存在意義(パーパス)として、当社は「化学の力で社会を変える」ことを掲げてまいります。ここには先端材料パートナーとして、時代が求める機能を創出し、グローバル社会の持続可能な発展に貢献するという意味合いが包含されております。また、この存在意義(パーパス)の充足に向けた目指す姿として「世界で戦える会社」「持続可能なグローバル社会に貢献する会社」の 2 つを掲げ、実現に向けて邁進してまいります。

現在、世界全体で環境・社会問題解決に向けた SDGs への対応が求められており、デジタル基盤、モビリティ、エネルギーなど様々な社会インフラの刷新の必要性が高まっています。その中で素材メーカーのイノベーションに対する期待は益々大きくなっております。

当社はこの度の統合を通じて、この社会の要請とお客様の期待に正面から応えてまいります。昭和電工の川中の素材技術、昭和電工マテリアルズの川下のアプリケーション技術、両社の評価・解析技術、これらの融合でブレークスルーを実現する世界トップクラスの機能性化学メーカーとして、お客様にワンストップソリューションと新たな機能を提供し、持続可能な社会全体へ貢献してまいります。

(2) ポートフォリオマネジメント

目指す姿の実現を可能にするのが、今回の統合によって構築された補完性の高い事業ポートフォリオです。コア成長事業、次世代事業、安定収益事業、基盤事業、この役割の異なる 4 つの事業群がそれぞれに高い競争力を持って役割を発揮することで、市場に新たな機能を提供し続け、持続的な成長を実現してまいります。

コア成長事業: エレクトロニクス、モビリティ
成長市場で圧倒的な規模感とトップシェア製品を有し、今後の当社の成長を担う事業

次世代事業: ライフサイエンス
有望市場で将来の成長に繋がる優位ポジションにあり、次世代の柱へと育成していく事業

安定収益事業: カーボン、石油化学、デバイスソリューション、産業ガス、基礎化学品、アルミ圧延品、アルミ缶、コーティング、電子機能材、エネルギー競争環境の落ち着きつつある市場で高い競争力・シェアを有し、安定した利益で投資資金を捻出する事業

基盤事業: セラミックス、機能性化学品、アルミ機能部材他の 3 つの事業群の競争力を支える無機・有機・アルミの幅広い技術・素材で、各事業のイノベーションを支える技術プラットフォーム事業

特に、基盤事業の幅広い技術・素材が各事業群の競争力を強化し、また多様な事業で基盤事業の技術・素材を磨き続けることで、将来の新たな有望市場へも事業を広げてまいります。

(3) コア成長事業/次世代事業

当社グループの今後の成長をけん引していくコア成長事業/次世代事業は、それぞれに異なる市場ステージ・当社ポジションにあり、それぞれの状況を踏まえて事業を展開してまいります。

エレクトロニクス:
継続的な技術革新と市場成長が続く見通しの中、激しい競争が続くものの技術開発の方向性は定まっており、急激な業界構造変化や新規参入は起こりづらい市場と想定されます。当社グループは、2,000 億円規模のグローバル No.1 半導体材料メーカー(注 1)として 2 位以下を事業規模で大きく引き離すトップポジションにあり、ウエハ工程・パッケージ工程の双方でグローバルトップクラスの競争力・シェアを有する幅広い製品群を有します。統合により拡充した技術力で最先端製品を開発し続け、ワンストップソリューションを提供することでお客様の期待に応え、市場成長を取り込んでまいります。

注 1:当社推計、シリコンウエハを除く

モビリティ:
今後確実性の高い領域と不確実性の残る領域が同時に存在していく市場で、複数の素材メーカーによるトップポジション争いが進行していくと想定されます。当社は地球温暖化ガス削減等の潮流を背景とした確実性の高い軽量化のトレンドを捉えた事業(マルチマテリアル・大型一体成形モジュール)と、軽量化に並ぶトレンドである電動化に向けた事業(熱マネジメント素材パッケージ)、またその中でも各国の政策次第で左右される各パワートレインの浸透見通しの不確実性に備えた事業(LiB 向け材料、SiC 向けも視野に入れた熱マネジメント素材パッケージ)などを、世界トップクラスのシェアを有する製品や統合により拡充した製品ラインナップを活かしながら、ポートフォリオで展開してまいります。

ライフサイエンス(再生医療):
今後市場が大きく拡大していく見通しである中、拡大の時間軸やセグメントの見立てには幅があり、まだプレイヤーも出揃っていない状況です。当社グループはその中で、グローバルトップクラスの受注実績とノウハウ、他社に先駆けて構築したグローバル 3極(欧州、アジア、北米)での生産体制、コストイノベーションに向けた先行的な製造技術開発などの先行者優位のポジションを活かして足元の成長を取り込むとともに、今後の変化をいち早く捉えて中長期的な競争優位性を構築してまいります。

コア成長事業/次世代事業の中で、当社は特に以下の 5 事業を「成長事業」として、中長期的に当社グループの成長の中心となる事業と位置づけております。

エレクトロニクス: 半導体ウエハ工程事業、半導体パッケージ工程事業
モビリティ: マルチマテリアル・大型一体成形モジュール事業、熱マネジメント(パワーモジュール)事業
ライフサイエンス: 再生医療事業

上記 5 つの成長事業の 2020 年の合計売上規模は約 2,300 億円であり、両社の技術シナジーを含むイノベーションを通じて年平均成長率 10%を達成しながら、2030 年にはこれを 6,000 億円規模にまで拡大させてまいります。またこの 5 事業におけるシナジーを含むイノベーション部分で、2025 年に 180 億円、2030 年に 480 億円の営業利益を追加的に創出してまいります。

(4) 統合による技術融合

当社は川中の素材技術と川下のアプリケーション技術を併せもつハイブリッド型の先端材料企業として、成長事業を中心とするイノベーションを統合後の両社の技術融合によって実現してまいります。昭和電工の川中素材の「作る化学」と、昭和電工マテリアルズの川下アプリケーションの「混ぜる化学」、両社の評価・シミュレーション、構造解析、計算科学の「考える化学」、この 3 つの技術の融合によって市場に幅広い機能を提供し続けて事業を強化・創出するとともに、事業を通じて技術を継続的に強化し、この好循環によって自律的なポートフォリオの変革と持続的な高成長を実現します。

上述の 5 つの成長事業を中心とした収益拡大に向けて、以下の事例に代表されるような、両社の製品・技術の融合によるシナジーの実現に取り組み、各事業で市場成長以上の事業成長率を達成してまいります:

半導体ウエハ工程事業:
半導体の高性能化に伴い、半導体材料における技術革新が求められています。GAFAのようなプレイヤーがキーデバイスの内製化に向けて素材メーカーにアプローチしていることも、素材側のイノベーションの重要性が高まっていることを示していますが、素材技術のブレークスルーは年々難しくなっております。その中で、当社は両社の技術の組み合わせで技術のトレードオフを突破してお客様のニーズに応えてまいります。例えば半導体回路平坦化用研磨材料 CMP スラリーでは、昭和電工マテリアルズの超低傷ナノセリアに昭和電工の砥粒技術を活用し、高速研磨と低傷を両立した次世代製品を展開します。

統合新会社の長期ビジョン(2021~2030)
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概要:昭和電工株式会社

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