マサチューセッツ州ボストン - 2021年2月9日 - 昨今、食品・農業分野では、中小企業がデジタル技術の活用や新たなチャネル開拓により、多様なイノベーションを引き起こしながら市場シェアを拡大する動きが活発化しています。先端技術調査を専門とする米調査会社ラックスリサーチは、食品・農業分野におけるイノベーション動向理解をサポートすべく、年次技術予測レポート、「Foresight 2021:Top Emerging Technologies to Watch(Foresight 2021: 2021年に注目すべき先端技術)」にて、2021年に注目すべき技術の総合ランキングとしてのトップ12の技術および食品・農業分野における主要技術トップ5を発表しました。
ラックスリサーチは、本調査にて注目の技術を特定する際、まず、独自開発のデータアナリティクスプラットフォーム、『Tech Signal(テックシグナル)』にてイノベーションデータの分析を行い、技術開発への関心が急速に高まりを見せている技術を特定しました。ただし、注目度が高く技術開発が盛んに行われていたとしても、規制や事業性など、商用化において克服すべき重大な課題を抱えている技術も存在します。そこで、データ分析によるランキングに対し、自社の技術専門家であるアナリストが事業性などの最終的な技術評価を行い、今回の総合ランキングおよび産業別を作成しました。
食品・農業分野で2021年に注目すべき技術トップ5は以下の通りです。
1. バイオインフォマティクス:バイオインフォマティクスは、これまで主に医療および製薬用途に焦点を当て開発されてきましたが、現在、食品・農業・ヘルスケアにおける活用が増加すると予想されています。
2. 代替たんぱく質:健康管理やサステイナビリティへの懸念は食生活の多様化を推進しており、土地利用から原材料のサプライチェーンに至るまで大きな変化をもたらしています。
3. 精密農業:デジタル技術は農業に革命を起こし続けており、精密農業技術は作物の収穫量増加や品質改善につながると同時に、環境負荷の軽減に貢献します。
4. バイオ肥料:バイオ肥料やその他の微生物の生物刺激剤は、生きた微生物を使用し、栄養素の使用効率と農業の持続可能性を改善します。
5. イングリディエントインフォマティクス:機械学習をレシピや材料・成分に適用すると、新商品の成分配合をより迅速に行うことができ、食品の開発から発売までの必要期間を短縮化することが可能になります。
ラックスリサーチのシニアアナリスト、Joshua Haslun, Ph.D.は次のようにコメントしています。
「アグリフードエコシステムは目まぐるしい変化の最中にあり、近年、この分野の成長は食品・農業分野大手20社以外の企業が牽引している状況です。小規模で機敏なブランドがパーソナライズを求める消費者需要を満たす中、大手ブランドは失われた地盤を取り返すために革新的なソリューションを模索する必要があります。
また、食品・農業両分野において、デジタル技術の活用は今後不可欠です。イングリディエントインフォマティクスは製品開発サイクルを短縮するための主要な技術であり、また、未だ比較的馴染みのないものかもしれませんが、精密農業技術は従来の農薬開発を補完するものとして重要性がさらに高まっています。主力原料の代替品は、農業・食品の両分野において見られる動きのひとつであり、バイオ肥料や代替たんぱく質が今後さらに注目されるでしょう。バイオインフォマティクスが医薬品開発における活用から、今後アグリフードエコシステム全体において大きな変革をもたらすような技術となることが期待されています。」
食品・農業分野で2021年に注目すべき主要技術トップ5をまとめたインフォグラフィックはこちらからダウンロードしていただけます。
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ラックスリサーチ(本社:米国ボストン)は先端技術の事業性評価・動向調査を専門とする米系調査会社です。世界の大手企業、政府系機関、コーポレートベンチャーキャピタル、大学、スタートアップ企業を主なクライアントとし、先端技術が生み出す事業機会特定をサポートしています。
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