2021年07月27日 09時20分
ラックスリサーチ

ラックスリサーチ、電気自動車向け高速充電とバッテリースワップの経済性を比較・評価したレポートを発表

マサチューセッツ州ボストン - 2021年7月27日 - (JCN Newswire) - 現在、充電スピードや充電施設の数が電気自動車の普及の主な障壁となっていますが、走行距離追加には高速充電ステーションの追加が最も有力な方法であると考えられています。しかしながら、電気自動車増加による電力需要の増加は送電網に負荷を与える可能性があり、先端技術調査を専門とする米調査会社ラックスリサーチは、バッテリースワップのような代替ソリューションが再度検討され始めていると指摘しています。約10年前、バッテリースワップの普及は不成功に終わったという経緯がありますが、現在、都心部でのタクシー向け車両での利用が検討されています。

そこで、ラックスリサーチは、新しい報告書、『Cost Comparison of Battery Swapping and Fast Charging for Electric Vehicles(電気自動車向けバッテリースワップと高速充電のコスト比較)』にて、英国と中国における電気タクシー向けバッテリースワップインフラ展開のコストを分析し、高速充電の代替手段としてバッテリースワップがどの程度有望であるかについて評価しました。

ラックスリサーチによる今回の分析の主なポイントは次の通りです。
•バッテリー交換コストは、高速充電およびバッテリースワップのいずれのインフラにおいても経済性を保つために極めて重要。高速充電は、充電時間が短いためタクシーのダウンタイムは最小限に抑えられます。ただしバッテリーの劣化の速度が上がります。高速充電によるバッテリー交換の必要性を考慮すると、50kWの充電が最も安価であることがわかりました。
•バッテリースワップは、大型車にて最も競争力がある。中国では、バッテリースワップはわずか100台の小型車両における利用でも、電気自動車に電力を供給するための最も安価で高速なソリューションですが、欧州においてはバッテリースワップと高速充電のコストはほぼ同等です。
•中国は、バッテリースワップソリューションの普及で世界をリードしており、この技術にとって最も有望な地域であり続ける。経済性や政策面でも良好な環境にあり、またバッテリースワップ技術の実用化に取り組んだ地元企業が存在することから、他の国や地域でバッテリースワップソリューションの普及を検討する際の先導的な指標として中国における動向に注目すべきです。

ラックスリサーチのリサーチディレクター、Christopher Robinsonは次のようにコメントしています。

「バッテリーを素早く充電する代わりに、バッテリースワップソリューションでは消耗したバッテリーを物理的に充電済みバッテリーと置き換えます。電気自動車に走行距離を追加する際、バッテリースワップを行うと、高速充電によるバッテリーの劣化を最小限に抑え、また電力網への負荷を最小化することができ、高速充電を利用する際の2つの主な課題に対応することが可能です。

高速充電ステーションは、10年かけて配備されてきましたが、バッテリースワップソリューションは過去2年間で急増しているものの、いまだ導入の初期段階にあります。バッテリースワップネットワークが成長するにつれ、今後コスト削減に向けて新たな事業機会が生まれることになるでしょう。」

詳細はレポートのエグゼクティブサマリーをダウンロードしてご確認ください。

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ラックスリサーチ(本社:米国ボストン)は先端技術の事業性評価・動向調査を専門とする米系調査会社です。世界の大手企業、政府系機関、コーポレートベンチャーキャピタル、大学、スタートアップ企業を主なクライアントとし、先端技術が生み出す事業機会特定をサポートしています。

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