革新的技術が特徴の医療機器の製造をリードする企業、BIOTRONIKは、ヨーロッパ市場において、新型Evia HF-Tペースメーカーシリーズの、ヨーロッパ市場向けリリースを、本日発表しました。Evia HF-TはMRI環境で使用認可された初の心臓再同期療法 (CRT-P)デバイスです。 (1)さらに、Evia HF-Tシリーズは、BIOTRONIK Home Monitoring(R)でリモート患者管理を提供しています。また、BIOTRONIKのHeart Failure Monitorで詳細データも利用できます。この情報により、無症候の場合でも早期に治療介入ができ、入院の数を減らすのにも役立ちます。
「今まで、CRTペースメーカー利用中の患者の皆様は、MRスキャンを拒否されていました。」と、イタリアのFerrarotto HospitalのUniversity of Catania心臓ペーシングおよび電気生理学部長のValeria Calvi教授は述べました。 「MR画像からは、重要な治療決定に影響する不可欠な診断情報がわかり、病気の進行について明確な知見を得ることができます。BIOTRONIKによりEvia HF-Tデバイス使用中の心不全患者が、MRスキャンを利用できるようになりましたが、これにより、患者が病気の間に必要な最適な診断手続きの恩恵を確実に得られることになります。
正確な診断のためにはMRスキャンが必要になる疾病である脳梗塞、脳腫瘍、関節炎などの共存症の有病率は、年齢とともに上がりますので、MRスキャンの利用は増加します。(2,3,4)心不全の有病率も年齢とともに上がります。心不全患者の平均年齢は75才ですので(5)、心不全患者がMRスキャンを利用できるようにすることは重要です。
心不全の治療
European Society of Cardiologyによれば、ヨーロッパでは3000万人の心不全患者がおり、その傾向は依然増加しています。(6)米国のデータによれば、すべてのがんを合わせたよりも多くの患者が、心不全で入院しており、65才以上の患者の入院原因でもっとも多いものです。(7)退院後6か月以内の再入院率は50%以上です。(8)
「ほとんどの心不全患者は、突然悪化し、すぐに処置の必要になるさまざまな症状に悩まされています。」と、Valeria Calvi教授は述べました。「それぞれの心不全患者の疾病管理は複雑で、疾病状況と心臓植込システム性能についての詳細情報を必要とします。このような患者を、再入院させずに、詳しくモニターすることは非常に重要です。この点について、BIOTRONIKは、Heart Failure MonitorとIOTRONIK Home Monitoring(R)システムという先進ソリューションを提供しています。」
BIOTRONIK Home Monitoring(R)では、独自に患者状況の変化の早期発見が可能です。COMPAS治験(9)では、BIOTRONIK Home Monitoring(R)を使用することで、非常に早期に医師の介入が可能であることが実証されました。コントロールグループと比べ、臨床的関連性のある事象の早期発見により、最大4か月が獲得されました。さらにCOMPASでは初めて、 心房性不整脈および関連の発作に関して、BIOTRONIK Home Monitoring(R)が入院を66%減らすことが実証されました。 BIOTRONIKのHeart Failure Monitor がレポートする重要な臨床傾向データにより、医師は、患者の症状を明確にし、臨床処置を実施できます。
「新型Evia HF-Tシリーズにより、BIOTRONIKの先進技術の徐脈製品ラインアップは完全なものとなりました。Lumax 740頻脈シリーズとともに、BIOTRONIKは、MRIと一緒に使用できる業界でもっとも幅広い心臓植込装置のラインアップを、徐脈、頻脈、CRT治療の分野で提供しています。」とBIOTRONIK業務執行取締役のChristoph Bohmerは述べました。「弊社はイノベーションをリードする企業であるとともに、MRスキャンの利用など、医師や患者のひとりひとりに合わせた治療のための幅広いオプションの提供でも業界をリードしています。」と、Christoph Bohmerは付け加えました。
ProMRI(R)付きEvia HF-Tペースメーカーの最初の実装に参加したサイト
- Theodoros Ballidis博士、Community Hospital Bonn、ドイツ
- Valeria Calvi教授、MD、Ferrarotto Hospital、イタリア。
- Bernd Eber教授、Hospital Wels-Grieskirchen GmbH、オーストリア
- Gerhard Hindricks教授、Heartcenter Leipzig、ドイツ
- Istvan Szendey博士、Hospital Maria Hilf Monchengladbach、ドイツ
BIOTRONIK Home Monitoring(R)について
BIOTRONIKは、BIOTRONIK Home Monitoring(R)遠隔患者管理システムが2000年に初めて臨床適用されて以来、その進歩に取り組んできました。このシステムは、患者の仲介なしに、独立して、患者状況と機器状況の継続的な自動無線リモートモニタリングを行い、毎日更新することができる点で、ユニークです。TRUST(10,11)ランドマーク治験の結果、証明されたように、この技術により早期診療が可能になります。現在、BIOTRONIK Home Monitoring(R)は、世界56か国の5,300以上の病院で幅広く使用されています。
ProMRI(R)について
ProMRI(R)は、ペースメーカー、ICDまたはCRT-Dを使用している患者が、MRIスキャンを受けられるようにします。BIOTRONIK ProMRI(R) Evia HF-Tシリーズでは、MRIスキャン可能なCRTペースメーカーが、初めて設計、テスト、認可されました。その結果、医師には、Eviaシリーズから最適な機器を選択できるユニークな機会が生まれ、患者に、MRIスキャンを利用して、可能な中でもっとも先進的な治療法を提供できるようになりました。
BIOTRONIK SE & Co. KGについて
BIOTRONIK は、世界でも有数の心臓血管系医療機器企業で、数百万個の埋め込み機器を提供してきました。全世界の従業員数は5,600人以上で、このグローバルスタッフを活かして100か国以上で営業を行っています。BIOTRONIKは、医療の世界に関する深い知識があることでも知られており、医師が直面する課題を評価し、診断および治療から、患者管理まで、患者ケアの全段階で最善のソリューションを提供しています。BIOTRONIKとその成功の特徴は、品質、イノベーション、卓越した臨床専門知識・技術であり、全世界の医師と患者の皆様に信頼と安心をお届けしています。詳しい情報については: www.biotronik.com
参照資料
(1) すべての条件や前提要件など、ProMRI(R)についての詳しい情報は、 www.biotronik.com/promri をご覧ください。
(2) Prevalence of Stroke by Age and Sex:NHANES 1999-2002.
(3) US Cancer Statistics (USCS) 1999-2007; アメリカ疾病管理予防センター(CDC)ウェブサイト。
(4) Perruccio他, J Rheumatol.2006, 1856-1862.
(5) ESC Guidelines 2008, European Heart Journal (2008), 29, 2388-2442.
(6) ESC Heart Failure Congress 2008.
(7) Roger VL他, Heart disease and stroke statistics - 2011 update:アメリカ心臓協会報告書, Circulation, Feb 1, 2011, 123(4):e18-e209.
(8) Jencks SF, Williams MV, Coleman EA., Rehospitalizations among patients in the Medicare fee-for-service program, N Engl J Med, Apr 2, 2009, 360(14):1418-28.
(9) Mabo他, The COMPAS Trial, European Heart Journal 2011, doi:10.1093/eurheartj/ehr419.
(10) Varma他, The TRUST Trial, Circulation 2010, 122, 325-332.
(11) Varma他, The TRUST Trial, Circ Arrhythm Electrophysiol 2010, 3:428-436.
お問い合わせ先:
Sandy Hathaway
グローバルコミュニケ―ション、シニアディレクター
BIOTRONIK SE & Co. KG
Woermannkehre 1
12359 Berlin
電話: +49 (0) 30 68905 1602
メール:sandy.hathaway@biotronik.com