2013年03月29日 16時15分
Gibson Guitar Corp.

ギブソン社、ティアックとの資本業務提携で合意

Tokyo / Nashville, 2013年3月29日 15時30分 - (JCN Newswire) - 世界的な楽器メーカー大手のGibson Guitar Corp.(本社:米国テネシー州ナッシュビル、以下、ギブソン社)は、音楽とオーディオライフスタイル分野での継続的な事業多様化の一環として、AV機器メーカーの先駆けとして名高いティアック株式会社(本社:東京都多摩市、株式会社東京証券取引所市場第一部上場、証券コード6803、以下、ティアック)との戦略的資本業務提携契約を締結することに合意したことを発表しました。

ティアックは、AV機器分野で世界有数のブランドの一つであり、データストレージ関連機器メーカーの大手でもあります。本合意はギブソン社とティアックの両社の取締役会にて全会一致で承認されました。

なお、本日、ギブソン・グループとフェニックス・キャピタル株式会社を業務執行組合員とするフェニックス・キャピタル・パートナーズ・ワン投資事業組合およびジャパン・リカバリー・ファンドIIIは、その保有するティアックの株式の全部である1億5,744万7千株(発行済株式総数の54.4%)を、両社の合意価格である1株当たり31円でギブソン・グループに譲渡することについて合意に達しました。この合意により、ギブソン・グループは、ティアックの株式の3分の1超を取得するため、金融商品取引法に則ってギブソン・グループは公開買付けを開始します。

ギブソン・グループは、特別目的会社を通じて、1株当たり31円にて、現金によるティアックの普通株式1億5,744万7千株の公開買い付けを実施します。ギブソン・グループは、最大1億5,750万株を取得します。また、2013年4月1日から21営業日(日本の営業日)の間を、本公開買付け期間とします。

本日、ティアックの取締役会は、本公開買付けについて賛同意見を表明しました。

株式取得の完了後、ティアックはギブソン・グループの一員となります。相互補完を実現する製品群、およびKRK、Cerwin-Vega!、Stanton、世界一流のスタジオモニター、サウンドレインフォースメント、DJ機器などの製品や、戦略的パートナーであるオンキヨーのコンシューマーオーディオなどの製品群が加わることにより、規模の拡大を図り、プロ用オーディオの事業領域への拡大を実現することができます。また、将来の製品開発においても本合意は、ギブソン社のフレット楽器事業分野を含む楽器事業に付加価値をもたらす可能性を秘めています。

ティアックは、ハイエンドオーディオのESOTERICや成長領域であるミキサーやコンピュータオーディオインターフェースに加えて、マルチチャネルレコーダー、ハンドヘルドレコーダー、Apple iOSデバイスなどで、すでに幅広く知られています。さらにティアックは、マルチトラックレコーディングを手頃な価格で提供し、音楽産業に変化をもたらし、ホームレコーディング技術に革命をもたらしたメーカーとして認知されています。そのマルチトラックレコーディングの技術は、ギブソン社のギターを憧れのエレクトリックギターの地位に押し上げたギターLes Paulの生みの親である、レス・ポールが発明した技術でもあります。

ティアックの製品群は、産業用途のデータの計測機器、記録再生機器、ディスクパブリッシング、医療用ビデオ、そしてTASCAM事業部門を通じた放送局向けから幅広い消費者向けにまで及んでいます。マルチチャネルレコーダーや、音響設備向け製品、フィールドレコーダー、オーディオインターフェース、および手頃な価格を維持する一方でプロ並みの品質の録音に必要な要素を全て備えた内蔵型Portastudioのような画期的な製品において、ティアックは主導的な立場にあります。これらの多岐にわたる要素がギブソンブランドに加わることは、ライフスタイル領域に進出するギブソン社のさらなる多様化を示唆するものです。

また、楽器から始まり最も革新的な録音技術やAV機器まで展開し、妥協なきエンターテイメントの体験を提供することで、世界最大のミュージック・サウンド・ブランドになるというギブソン社の目標の実現に参加することになります。そして、ティアックの製品群とギブソン社の製品群を結合することで、世界のあらゆる音楽愛好家およびクリエイターの嗜好や経済力にあわせた製品をギブソン社が提供できることになります。

さらに、本合意は、ギブソン社が日本に本格的に注力し投資することを意味します。ギブソン社は、2012年1月に、コンシューマーオーディオの世界的リーダーであるオンキヨーとの戦略的資本業務提携を発表し、両社は相互に株式を保有する関係となりました。本合意は、日本でこれまでに行った投資において、それに次ぐ案件となります。ギブソン社がこれまで手掛けたうち最大規模の案件の一つとなる今回の取引は、取締役会と上級役員の日本市場への確固たる自信を反映しています。そして、ギブソン社が、日本のプロ用オーディオ業界の先駆けであるティアックが有する、高度な技術を評価していることを反映しています。

株式取得完了後も、ティアックが東京証券取引所市場第一部上場を維持することに変わりはありません。ユニークで将来を見据えた技術力がギブソン社のプロオーディオ部門にもたらされるべく、ティアックは引き続き、現在の経営陣によって指揮されます。一方で、ティアックはギブソン社のグローバルな販売力を活用することが可能になります。

今回の合意に関して、ギブソン社の会長兼CEOヘンリー・ジャスキヴィッツは、「ティアックとその才能ある社員がギブソン社のファミリーに迎えられることを喜ばしく思います。私たちは長年にわたり、お互いをよく知る関係です。また、私たちは、オーディオ業界における世界最高水準の技術および、世界一流の楽器メーカーとその音楽の革新をビジネスにする力を統合するという、未来のビジョンを共有しています。そして、ギブソン社は、ティアックとともに「クール・ジャパン」を力強く支持します。私たちは、日本の音楽界から発信されるクールな製品が世界で認知されることに貢献するだけでなく、業界で日本の優れた音楽の革新性を普及していきます。」と述べています。

ティアックの英 裕治代表取締役社長は「私たちが、音楽業界で世界のレジェンドの一つであるギブソン社の一員になることを、とても楽しみにしています。両社の提携により、音楽業界の最先端の技術が双方にもたらされ、革新的で新しい製品を開発するという使命を共有することによって、真にグローバルな形でユーザーの音楽体験をさらに高めることを目指します。」と述べています。

今回の合意により、共同でのマーケティングやグローバル市場での販売活動における相乗効果を期待し、以下の貢献を想定しています。

● 米国におけるプロ用オーディオとコンシューマーオーディオの販売チャネルの重複に由来する、ギブソン社およびOnkyo USAとのロジスティクス統合の機会の創出

● 全てのギブソン社製品おけるアジア市場へのさらなるアクセスの獲得

● EMEA(欧州、中近東、アフリカ)での規模の連結に対応し、ギブソン社の倉庫を通じたロジスティックス統合機会の創出

● プロ用オーディオ機器、楽器、フレット楽器のさらなる製品開発および、Stanton DJの新製品ラインを開発するためのティアックの研究開発力の活用

● 米国内の特定の分野において、ティアックとギブソン社の管理部門を相互利用することで可能にする営業費用面での相乗効果

なお、マッコーリーキャピタル証券会社がギブソン社のフィナンシャルアドバイザー、ならびにベーカー&マッケンジー法律事務所がギブソン社のリーガルカウンセルを務めます。シティユーワ法律事務所はティアックのリーガルカウンセルを務めます。また、SMBC日興証券が本案件の公開買付け代理人業務を行います。

ギブソン社について

ギブソン社は、アコースティックギター、エレクトリックギター、マンドリン、バンジョーなど、あらゆるフレット楽器でクラシックモデルを製作する世界的なメーカーです。2002年に発売したギブソン社のデジタルギターは、70年以上のエレクトリックギターのデザインの歴史に大きな飛躍をもたらした代表作です。ギブソン社は、1894年にミシガン州カラマズーで設立され、1984年以降はナッシュビルに本社を置き、Epiphone, Dobro, Valley Arts, Kramer, Steinberger, Tobias, Slingerland, Maestro, Baldwin, Hamilton, Chickering 、Wurlitzer、KRK,、Cerwin-Vega!、 Stantonといったブランドを展開しています。詳細については www.gibson.com , www.facebook.com/gibsonguitar , www.twitter.com/gibsonguitar をご確認ください。

本件に関するお問い合わせ先

Gibson Guitar
Craig Anderton
+1-615-315-1819(英語のみ)

ティアック株式会社
取締役 コーポレート本部長
野村佳秀
042-356-9116

エデルマン・ジャパン
仲里・ヘイデン
03-6858-7711(ギブソン社広報代理)

概要: Gibson Guitar Corp.