AEROPRES

2014年02月06日 11時32分

オープンソース技術のトレーニングとクラウド関連のシステムインテグレーションに特化した子会社を設立

OpenStackをはじめとするOSS技術の教育プログラムで、SI事業者やユーザー企業のクラウド技術者を育成
クラウドコンピューティングのプラットフォームを提供する株式会社モーフ・ラボ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 金野 諭)は、クラウド関連のシステムインテグレーション(SI)事業、オープンソースソフトウェア(OSS)技術の教育事業を行う子会社であるアセアン・ラボ株式会社を設立しました。
また、モーフ・ラボの親会社である米国Morphlabs社が、製品のアーキテクチャを米国で開発する他、ユーザーインターフェース開発・QA・サポートをフィリピンの拠点で行い、ASEAN地域の顧客も抱えている実績を踏まえて、新会社のアセアン・ラボは、日本のIT関連企業のフィリピン、インドネシア、シンガポールなどをはじめとするASEAN地域進出を支援するコンサルティング事業も行う計画です。


◆ 子会社設立の市場背景
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クラウドコンピューティングは、企業や個人、行政、教育、研究などの幅広い分野において、急速な勢いで活用が広がっており、専門知識と経験を有する技術者の育成が急務となっています。
システムインテグレーター各社は、自社のサービスや技術者のスキルをクラウドに適応させて、競争力を高めるための取り組みを進めており、また、サービスプロバイダーやクラウドシステムを導入する企業の中には、IT戦略の根幹となるクラウド基盤を自社でもある程度メンテナンスできるようになり、クラウドシステムのメリットを最大限に有効活用したいと考える企業も増えてきています。
一方、クラウドコンピューティングの発展においては、特定のベンダーに依存しない様々なオープンソースソフトウェアの活用が鍵となっていることが特徴的で、その中でもクラウド管理フレームワークであるOpenStack (※)が非常に注目されています。そして、クラウド技術に注目するシステムインテグレーターやユーザー企業は、これらのOSS技術を習得し、システムの設計、導入、運用などの様々なフェーズにおける知識やノウハウを蓄積したいと考えています。

モーフ・ラボは、クラウド環境の構築・管理を製品化し、クラウド基盤ソフトウェア「mCloud (エム・クラウド)シリーズ」を提供しています。「mCloudシリーズ」は、OpenStack、KVM、Nexenta、Zenoss、PuppetなどのOSS技術を活用し、クラウド型サービスを提供するiDC事業者や、SaaSを提供するISVなどが利用しやすいように、独自のRuby on Railsベースのユーザーインターフェースや運用・管理機能を組み合わせており、モーフ・ラボは、仮想コンピュート、仮想ストレージ、仮想ネットワークなど多様な分野における技術力とノウハウを有する数少ない企業の1つです。
今回設立するアセアン・ラボでは、モーフ・ラボの技術力とノウハウを、製品という形でなく、SIサービスとしてクラウドサービ事業者や企業のクラウドシステム基盤の構築に役立て、クラウドシステムのさらなる発展や品質の向上に寄与します。


◆ アセアン・ラボの事業概要
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アセアン・ラボは、以下の3つの事業を展開します。
教育事業は、初年度数社の教育事業者と協業提携し、年度末までにオープンソース関連の教育コースを毎週開催する予定です。クラウドインテグレーション事業は、初年度で10社のインフラ構築を手掛け、コンサルティング事業では、初年度で5社の支援を予定しております。なお、3事業を合せて、今後3年間で20億円の売上を計画しています。

[1] 教育事業 ──────
クラウド管理フレームワークであるOpenStackのトレーニングコースを、教育事業を展開するパートナー企業との協業により提供します。
OpenStackは、机上の学習や独学による習得は難しく、実際に自身で導入・設定してみないと理解しにくいシステムです。アセアン・ラボのOpenStackトレーニングコースは、ハンズオンに特化し、「OpenStack概要」コースから「OpenStackシステム管理1」コース、「OpenStackシステム管理2」コースまで体系化されており、合計5日間で概要から構築、設定・チューニング、トラブルシューティングまでがカバーしています。特に、システム管理1及び2コースでは、全受講者に4ノードずつ与え、OpenStackの主要コンポーネントの導入や設定をマルチノード型で体験できる他に類を見ないカリキュラムです。
マニュアル、講義などすべて日本語で提供しますが、Morphlabs社はOpenStack Foundation のゴールドスポンサーであり、アセアン・ラボが提供するこれらのトレーニングコースは、OpenStack Foundationの承認プロセスを経たオフィシャルプログラムです。
今後、OpenStackのネットワーク周辺に特化したコースや、大規模分散ストレージ向けOSSのCephのコース、アプリケーション導入・設定自動化ツールのPuppetやChefのコースなどを順次追加していく計画です。

モーフ・ラボは、OpenStackトレーニングコース提供について、NECラーニングと提携していますが(本日発表)、本年度内に、OpenStackトレーニングコース関連事業はすべてアセアン・ラボに移管する予定です。

[2] システムインテグレーション事業 ──────
クラウドシステム導入のコンサルティングから、システム設計、システム構築、運用設計などのインテグレーションサービスを提供します。
モーフ・ラボは、クラウド環境の構築・管理とアプリケーションの配布を自動化する「mCloudシリーズ」を、カスタマイズが不要でフルサポートを完備したソフトウェアやアプライアンスサーバなどの形態で提供していますが、カスタマイズが必要なお客様への導入の際は、今後は、アセアン・ラボがサービスを提供します。
モーフ・ラボの親会社である米国Morphlabs社は、仮想コンピュート、仮想ストレージ、仮想ネットワークなど多様な分野における技術力とノウハウを有する優秀なエンジニアをフィリピンやシンガポールなどに多数擁しており、アセアン・ラボでも、ASEAN地域の優秀なオープンソース・エンジニアの人材ネットワークも活用する予定です。

[3] ASEAN地域への進出支援コンサルティング事業 ──────
日本のIT関連企業が、フィリピンやインドネシアをはじめとするASEAN地域に進出する際に、コンサルティング、人材紹介などのサービスを提供します。
成長著しいASEAN諸国では、例えば「1年後に店舗数を10倍にするため数ヶ月内にシステムを10倍に増強しなければならない」といった案件が頻繁に発生するため、クラウド技術とノウハウを蓄積した日本企業が進出するチャンスを秘めた市場です。アセアン・ラボは、これらの企業を支援すると共に、自社のシステムインテグレーション事業も、日本国内だけでなく、ASEAN諸国を市場として展開していく計画です。
また、ASEAN諸国は、既に欧米諸国のIT分野の活動におけるグローバルソーシングの重要な地域となっており、特にOSSの領域では、英語が話せる優秀な技術者が多数存在します。そして、人件費が上がる傾向にあるものの、依然としてコストメリットを享受しながら、優秀な人材にリーチすることができます。アセアン・ラボは、技術者の流通においても日本とASEAN諸国の橋渡し役を担います。


◆ 新会社の概要
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社名:アセアン・ラボ株式会社(ASEANLABS, Inc.)
設立:2014年2月4日
資本金:100万円
(2014年3月中に増資予定で、株式会社モーフ・ラボ 100%出資子会社となります)
所在地:東京都新宿区新宿6-27-28
代表者:代表取締役社長 金野 諭
事業内容:クラウド教育事業、クラウドインテグレーション事業、ASEAN地域への進出支援コンサルティング事業
ホームページ:http://www.aseanlabs.com/


(※) 来場者数1,500人以上を見込むOpenStack Days Tokyo 2014が2月13日・14日の2日間、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにて開催されます。
詳細は以下をご参照下さい。
http://openstackdays.com/


[報道関係者 / 読者 お問い合わせ]━━━━━━━━━━━
株式会社モーフ・ラボ
TEL:03-6276-4700 / 080-3411-5664 (金野) E-mail:info_japan@morphlabs.com