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2014年05月15日 18時18分

立命館守山とISID、クラウドとSNSを活用した アダプティブラーニング(適応学習)の実践プロジェクトをスタート

立命館守山中学校・高等学校と株式会社電通国際情報サービスのオープンイノベーション研究所は、クラウドとSNSを用いて、アダプティブラーニング(適応学習=個々の生徒の学習進行度に合わせて、適切な問題を最適なタイミングで提供する教育手法)を実践する「RICS(Ritsumeikan Intelligent Cyber Space) プロジェクト」を立ち上げました。
Tokyo, 2014年5月15日 16時00分 - (JCN Newswire) - 立命館守山中学校・高等学校(滋賀県守山市、校長:亀井 且有、以下立命館守山)と株式会社電通国際情報サービス(東京都港区、社長:釜井 節生、以下ISID)のオープンイノベーション研究所(以下イノラボ)は、クラウドとSNSを用いて、アダプティブラーニング(適応学習=個々の生徒の学習進行度に合わせて、適切な問題を最適なタイミングで提供する教育手法)を実践する「RICS(Ritsumeikan Intelligent Cyber Space) プロジェクト」を立ち上げました。学校現場において、SNSとアダプティブラーニングを用いたICT環境を教育プログラムに取り入れる試みは、全国でも初めてとなります。

本プロジェクトでは、ISIDイノラボが研究開発を進めるアダプティブラーニング・プラットフォームをベースに、クラウド上に問題単位で蓄積されたデジタル教材を、生徒一人ひとりの習熟度に合わせて、教師や生徒自身が選択し学習する仕組みを授業に取り入れます。「学力・理解度」と「学ぶ対象」をシステム上で紐付けることにより、個々の生徒に合った最適な学習コンテンツの選択を可能とし、次世代の教育手法と言われるアダプティブラーニングの実践を目指します。またSNS機能を活用して、生徒同士が教材を評価・推薦したり、分からない部分を教師や他の生徒に質問しながら解決するなど、生徒たちが仲間と協働しながら、能動的に学習できる環境を実現します。プロジェクト期間中、学校現場での実践を通じて、アダプティブラーニングに求められる環境や機能を検証・実装していきます。

初年度は、中学校・高等学校1年生全員と担当教師、合わせて約500名がiPadを持ち、英語と数学の2教科からスタートします(次年度以降、各年度の新入生にも順次展開)。教材は数研出版株式会社から提供を受けます。対象教科や教材提供元は、段階的に拡充していく計画です。

本プロジェクトには、立命館大学情報理工学部言語教育情報研究科教授の野澤和典氏、文教大学教育学部教授の今田晃一氏がアドバイザリースタッフとして参画します。

■RICSプロジェクトの特徴■

本プロジェクトは、ISIDイノラボが研究開発を進めるアダプティブラーニング・プラットフォーム「edumame(エデュマメ)」をベースに、立命館守山の新たなICT教育システム「RICS(Ritsumeikan Intelligent Cyber Space)」を構築し、アダプティブラーニングに求められる環境や機能を、学校現場での実践を通じて検証・実装していく共同プロジェクトです。本プロジェクトで実践する新しい学びの特徴は、以下の3点です。

(1) アダプティブラーニングを具現化

本プロジェクトでは、従来のように冊子や単元ごとにデジタル化された教材ではなく、1冊の問題集を問題単位でデジタル化しクラウド上に蓄積します。さらにそれらを、生徒の学力や理解度、学習の進捗状況などと紐付けて最適な学習コンテンツとして提示することで、アダプティブラーニングを可能とします。生徒は、学校でも家庭でも自由にコンテンツを引き出し、自分に合った課題に取り組むことができます。また蓄積された学習記録データを可視化することにより、生徒一人ひとりの強みや弱みを教師や生徒自身が把握でき、それぞれに合った個別学習を実現することが可能となります。

(2)SNSによる協働学習効果

SNSを通じて、教師と生徒、あるいは生徒同士が学習コンテンツを介して繋がることができます。「誰が課題を解けたのか」「何人が取り組んだのか」「どの課題を誰が評価・推奨しているか」といった情報が見え、また分からない部分を、教師や他の生徒に質問・相談しながら課題に取り組むことも可能です。これにより、生徒同士が互いに切磋琢磨し、能動的に学習を進める効果が期待されます。

(3)学習記録や行動履歴をビッグデータとして蓄積・活用

プラットフォーム上で行われる全ての学習の記録や行動履歴は、膨大なログとして蓄積されるため、生徒の学習傾向を把握・分析することが可能となります。将来的には、これらのデータをポートフォリオ化して中高大一貫教育の中での学習指導に役立てたり、ビッグデータ解析技術を用いた多様な学びの形成に発展させていくことも、プロジェクトを通じて検討していきます。

■学校での導入計画■

対象学年: 初年度 中学1年159名、高校1年304名(次年度以降各年度の新入生に1人1台順次導入)
対象科目: 英語・数学の2教科

2014年度
5月: 環境設定、教員への研修(iPad活用について)、生徒への情報モラル研修
6月: 生徒へのiPad配布、iPadの機能や操作方法についての学習
教員への研修(RICSの使用方法について)
7月初旬: 活用スタート
授業内での活用、自宅での復習や自発的な発展学習、夏休みの課題など

2015年度以降
次の新入生への展開や蓄積したデータの活用、対象教科の拡充、ポートフォリオの作成 など

<検証について>
- 多変量解析を用いた生徒の意識変容調査(学習意欲やRICSの使用感など)
- 実力試験や検定試験等の結果の分析・考察
- アドバイザーの配置(立命館大学情報理工学部言語教育情報研究科教授・野澤和典氏、文教大学教育学部教授・今田晃一氏)

■立命館守山が目指す人材育成像とRICSプロジェクトのねらい■

立命館守山は、未来を担うグローバル人材の育成を目指し、「確かな学力を育てる学び」「体験を通じた学び」「社会に触れる学び」に取り組んでいます。こうした人材育成には、これまでの知識伝授型座学授業から学習者が主体的に学習に取り組む新しい学習スタイルへの転換が必要となります。本校では、問題解決型学習(PBL)などのアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れています。

RICSプロジェクトにおけるアダプティブラーニングやSNS機能を通じ、生徒たちは、知識を深め、学力を高めるとともに、主体的に学ぶ習慣を身につけることが期待されるほか、仲間とともに学びあうことで、協働する力も向上します。これらの力は、グローバル人材に必要と言われるPISA型学力の向上につながっていくと考えます。

また、蓄積された学習記録や行動履歴は、ポートフォリオとして中高大一貫教育で共有化するとともに、教員の学習指導力の向上にも役立てていきたいと考えています。本プロジェクトは、立命館守山が目指す人材育成を大きく後押しするものです。

■今後の展望■

本プロジェクトの成果をもとに、立命館守山はアダプティブラーニング・プラットフォームの全校・全教科での継続的活用を検討していく予定です。ISIDイノラボは、本プロジェクトの成果を、様々な教育機関とのさらなる実践的プロジェクトに発展させ、早期事業化を図ります。また両者は、本プロジェクトの成果を、学会や研究会等を通じて全国に発信していく予定です。

<立命館守山について>
立命館守山中学校・高等学校は、学校法人立命館の4番目の附属中学校・高等学校です。2006年に高等学校、2007年に中学校が開設されました。2006年以来2期にわたり、文部科学省よりSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、先進的な理数・科学教育を通してグローバル人材の育成に取り組んでいます。また、2014年度には、同じく文部科学省よりSSS(スーパー食育スクール)に指定されました。
※生徒数: 中学校448名、高等学校914名(2014年4月現在)
http://www.ritsumei.ac.jp/mrc/

<株式会社電通国際情報サービス(ISID)とオープンイノベーション研究所について>
ISIDは、1975年の設立当初から顧客企業のビジネスパートナーとして、コンサルティングからシステムの企画・設計・開発・運用・メンテナンスまで一貫したトータルソリューションを提供しています。2011年4月に設置したオープンイノベーション研究所は、様々な先端技術の実用化に向けて、企業や教育機関などと協働し、技術研究やサービス開発に取り組んでいます。「次世代教育」や「未来の街づくり」などをテーマに、各分野のスペシャリストと共同でアプリケーションのプロトタイプ開発や実証実験を推進しています。 http://www.isid.co.jp/
* 本リリースに記載された会社名・商品名は、それぞれ各社・法人の商標または登録商標です。

【RICSプロジェクトに関するお問い合わせ先】
株式会社電通国際情報サービス
オープンイノベーション研究所 関島、氏家
E-Mail: g-inolab-edu@group.isid.co.jp

【本リリースに関するお問い合わせ先】
コーポレートコミュニケーション室 李
TEL: 03-6713-6100
E-Mail: g-pr@isid.co.jp

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JCN 株式会社
Tel: 03-5791-1821
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