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2016年06月17日 11時14分

建物利用者を快適な空間へと個別誘導するアプリを共同開発

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石 達)と株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、代表取締役社長:釜井節生)は、利用者にとって快適な空間を個別に紹介する誘導アプリを開発しました。
TOKYO, June 17, 2016 - (JCN Newswire) - 株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石 達)と株式会社電通国際情報サービス(以下ISID、本社:東京都港区、代表取締役社長:釜井節生)は、利用者にとって快適な空間を個別に紹介する誘導アプリを開発しました。6月17日から、「グランフロント大阪」 (※1)で、デジタルサイネージ(※2)を用いた実証実験を開始します。

昨今、ウェルネス(※3)志向の都市生活が注目される中、屋内外空間の快適性を外的環境のみならず、利用者の心理状況や生体情報など、内的要因も含めて総合的に評価するニーズが高まっています。特に屋外空間の快適性評価は、気温などの気象条件を基に算出された客観的指標を用いて行うことが一般的で、利用者側の状況を個別に反映したものにはなっておらず、ウェルネスの観点からも快適に利活用しきれていないという課題があります。

そこで、大林組とISIDは共同で、利用者の空間へのニーズを、生理状態や環境条件などからリアルタイムに評価し、その利用者にとって最適な空間での過ごし方を提案するアプリ(※4)を開発しました。今回は、充実した屋外空間を有する都心部の複合商業施設「グランフロント大阪」を実証実験の場所に選定し、利用者が屋外空間を利活用して快適性を向上させることをめざし、屋内からより快適な屋外へ誘導することに特化した評価方法を確立しました。このアプリには独自ロジック「快適感向上エンジン(※5)」が組み込まれ、利用者の位置情報に加えて「環境情報」、「生体情報」、「ソーシャルデータ」の3つの要素から各利用者の快適感指標を算出し、快適感をより向上させる屋外空間と過ごし方を導き出します。これら3つの要素を解析して独自の快適感指標を算出する手法は世界初です。

個別誘導アプリの特長は以下のとおりです。

1 3つの要素から快適感指標を算出し、利用者に適した屋外空間と過ごし方を提案します
サイネージ端末に搭載のカメラが、利用者の心拍数などの「生体情報」を自動で計測する(※6)とともに、屋外設置の気象ステーションから、気温、風速、日射量などの「環境情報」を取得します。加えて、利用者が「ソーシャルデータ」となる同行者との関係性(友達、恋人、家族など)をサイネージ端末へ入力することにより、アプリ内の解析ロジック「快適感向上エンジン」が利用者にとって快適な場所と過ごし方を個別に解析し、提示します。

2 キャラクターによる対話形式で、誰でも簡単に楽しみながら利用できます
検証用のアプリ「Spy On Me(スパイ・オン・ミー)」では、利用者が個別に選択できるサイネージ端末上のキャラクター「My Spy(マイ・スパイ)」を通して街とその利用者とが対話形式で交流を図ります。(写真1、2)対話形式により、「生体情報」の自動計測、「ソーシャルデータ」の入力などへの利用者の心理的障壁を軽減し、アプリの継続利用につなげます。

3 フィードバックにより精度の向上が可能な「成長する指標」
利用者が推薦された屋外空間へ移動した後の快適感の向上を、移動後の生体情報や利用者からのアンケートを基に定期的に評価し、解析ロジックにフィードバックすることで、指標算出の補正を行うことが可能です。つまり、一般的な快適性指標とは異なり、指標自身が成長していきます。

本技術は、6月17日から一般利用者を対象とする実証実験を行います(2016年の秋まで断続的に実施予定)。今回は屋内から屋外への誘導に限定していますが、今後は、施設の屋内外の全面的な利用と、利用者のさらなる快適性の向上をめざし、屋内から屋内、屋外から屋内など、さまざまなパターンへの応用に取り組みます。

大林組とISIDは今後も、ICT技術を用いて、快適感の向上と空間活性化による価値向上をめざしたサービスの提案を推進します。

画像: https://www.acnnewswire.com/topimg/Low_ISID20160617-1.jpg
図1 個別誘導アプリの概念図

画像: https://www.acnnewswire.com/topimg/Low_ISID20160617-2.jpg
写真1、2 「Spy On Me」画面 写真3 アプリを利用する様子

※1 グランフロント大阪
2013年4月、大阪駅北側に広がる再開発地区「うめきた」の先行開発区域に開業した大型複合施設

※2 デジタルサイネージ
電子看板。公共空間や店頭などにおいて、ネットワークに接続された平面ディスプレイなどによって、デジタル化された情報や映像を発信するシステム

※3 ウェルネス
身体の健康づくりだけでなく、心身および社会生活についてもより積極的な健康をめざして、日常生活の行動様式を変えていく概念

※4 開発した個別誘導アプリのアルゴリズムについては、大林組とISIDが共同で特許出願中

※5 快適感向上エンジン「心地アップナビ(TM) 」
屋内からより快適な屋外へ利用者を誘導することに特化した個別誘導アプリ内の解析ロジック。今回は、大林組とISIDが、放送大学(所在地:千葉県美浜市、学長:岡部洋一)川原研究室と共に、事前にグランフロント大阪で行った環境調査(気象環境、騒音レベルなど)とアンケート調査(特定の場所にいる来街者の属性、主観、前後行動)、および生体情報調査(特定の場所における同行者との関係性別緊張度、リラックス度など)のデータをもとに解析を行った

※6 カメラによる生体情報センシング技術は旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小堀秀毅)の技術提供により実現

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.isid.co.jp/news/2016/0617.html

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