AEROPRES

2020年03月02日 11時29分

新型コロナウイルスの累積罹患率|韓国が中国本土を超過

SARS流行時、7日の自宅隔離を受けた経験がある合同会社パラゴンの代表が、中国本土の新型コロナウイルスの累積感染率を韓国が凌駕したことをみつけました。と共に韓国、中国本土、イタリア、シンガポール、香港、イランへの渡航自粛地域指定が必要だとする根拠を導き出しました。
国内での新型コロナウイルス感染の拡大阻止に向け、全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、3月2日月曜日から春休みに入るまで、臨時休業を行うよう内閣総理大臣からの要請が出されました。しかしながら、罹患率(感染率)が高い海外から感染者流入が続いていては、その効果は限られること、想像に難くありません。プロフェッショナル産業医で知られる合同会社パラゴン(本社:東京都港区)の代表社員 櫻澤 博文は、SARS流行時の2003年、渡航自粛地域として指定されたカナダはトロントを通過したことから、1週間の自宅隔離措置を講じられた経験を持ちます。その有用性を経験した立場から、新型コロナウイルスによる感染拡大の抑止には、危険性高い地域への渡航自粛や入国(帰国)後の隔離が有効性が立証されていること、強く感じています。そこで日本を含め同ウイルス感染症の発生数の多い地域10か所に関して、そこでの累積罹患率(その地域での感染者総数を、その地域の人口で割ることで求められる)を求めました。すると、日本と比較することで、韓国、中国本土、イタリア、シンガポール、香港、イランの順に、不要不急の渡航自粛地域として指定する必要があるという試算結果を導き出しました。

【方法】
2020年3月2日午前10時時点での米国ジョンズ・ホプキンス大作成の新型コロナウイルス性肺炎流行状況から得られた感染者数上位10位までの地域(プリンセス・ダイヤモンド号を除外)に対し、「世界経済のネタ帳」による2018年における「世界の人口ランキング」よりそれぞれの地域での罹患率を求め、日本と比較することで、日本より罹患率の高い地域を順番に算出しました。


【結果】
わが国より罹患率が高い地域は以下でした。

1位 韓国 40.3倍
2位 中国本土28.3倍
3位 イタリア13.8倍
4位 シンガポール 9.3倍
5位 香港6.3倍
6位 イラン5.9倍

このように、韓国の累積罹患率が初めて、中国本土を上回ったこと確認しました。

なお、シンガポールと香港は、累積感染者数は日本より少ないものの、罹患率は日本より高いことから、渡航者には十分注意する必要がある結果でした。


【解説】
韓国でいうならば40.3倍、わが国より累積罹患率は高い結果でした。この事は、韓国に居るだけで、日本に居るより35.7倍、新型コロナウイルスに感染しやすい ことを示します。なお疫学や医療統計学では、倍率が2倍を超えたら、寄与危険度という概念から、それが原因である確率が、50%を超すことを意味します。従って、倍率が2倍を超すような概念に対しては、何らかの対策が必要ということで、これまで対策を行う根拠として医療においても、この疫学や医療統計学の結果が重要視されてきています。

ここで韓国の40.3倍に関する寄与危険度を求めてみます。

40.3-1/40.3より0.975となります。

このことは、韓国への渡航者が新型コロナウイルスに感染したとしたら、その理由の97.5%は、韓国への渡航という事実で説明がつくということを意味します。

日本国政府がスポーツ観戦やジム通いといった健康増進に資する余暇活動や教育を受ける権利まで制限を講じるのであれば、中国本土に加え、韓国、イタリア、シンガポール、香港、そしてイランからの出入国は控える必要がある と考えられます。


【期待できる効果】
現在わが国では、感染経路が明らかでない感染者が全国で確認されています。それらの感染源は、諸外国が入国禁止としている地域からの輸入に基づくものと想像できます。したがってわが国に滞在するより感染しやすい上記地域への渡航を控えると共に、それら地域からの旅行客の入国を禁止することが、これ以上の感染者数増加を抑止しえるものと考えられます。


【当社代表の感染症に関する主な業績】
①「職場における感染症対策」福井社会保険労務士会主催 平成15年度安全管理研修会 講演講師  2003年9月26日
②「-63億人の地図-感染症にどう立ち向かうか」.
   NHK BSディベートアワー2004.2.29 出席
③ 豚由来新型インフルエンザの集団感染防護に対する、全額企業負担の自宅待機措置の有効性検証について:職域コホート研究より. 第83回日本産業衛生学会発表、福井、2010
④An effective quarantine measure reduced the total incidence of influenza A H1N1 in the workplace: another way to control the H1N1 flu pandemic.J Occup Health. 2011;53(4):287-92. 共著者

【当社概要】
社名  : 合同会社パラゴン
本社  : 〒107-0062 東京都港区南青山5-17-2 シドニービル502
代表者 : 櫻澤 博文
事業内容: 官公庁・企業の健康管理部門請負全般、
特に
(1) メンタル産業医による休職前・休職中・復職前・復職後支援提供
(2) 「健康経営優良法人」認定制度への申請支援、
(3) ストレスチェック制度の構築・運用・実施者対応
URL   : https://pro-sangyoui.com/