AEROPRES

2012年12月29日 14時26分

COPD の認知度は28.1%(2012 年12 月)。昨年同時期に比べて2.9 ポイント上昇。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する正しい知識の普及を通じて国民の健康増進に寄与することを目的として活動する、一般社団法人GOLD日本委員会(代表理事: 福地義之助、順天堂大学医学部 呼吸器内科 客員教授)は、2012年12月に、20代以上の男女10,000人を対象にインターネットによるCOPD認知度把握調査を実施した。COPD認知度は28.1%で、昨年同期調査結果と比べて2.9ポイント上昇した。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する正しい知識の普及を通じて国民の健康増進に寄与することを目的として活動する、一般社団法人GOLD日本委員会(代表理事: 福地義之助、順天堂大学医学部 呼吸器内科 客員教授)は、2012年12月に、20代以上の男女10,000人を対象にインターネットによるCOPD認知度把握調査を実施しました。

その結果、COPDについて「どんな病気かよく知っている」「名前を聞いたことがある」と答えた人の割合はそれぞれ8.1%(810/10,000人)、20.0%(1,999/10,000人)で、この2つを合わせたCOPDの認知度は28.1%でした。昨年同時期(2011年12月)調査時の認知度25.2%と比べると、2.9ポイントの上昇がみられました。

この認知度把握調査は、GOLD日本委員会が2009年から毎年1回12月に行っているものです(2009年のみ、7月と12月の2回実施)。2009年から2010年にかけての3回の調査では、COPDの認知度は17%台で変化が見られませんでしたが、2011年には25.2%に上昇し、2012年には28.1%とさらに上昇しました。

また、COPDについて「どんな病気かよく知っている」と答えた人の中から110人を選んで、どのような経路でCOPDについて認知したかを尋ねたところ、回答が多かったのは「テレビ」59人、「医師や医療関係者から聞いて」38人、「新聞」29人の順で、「テレビ」と「新聞」を挙げた人の数に、昨年同時期の調査結果(それぞれ51人と22人)と比べて増加傾向がみられました。

COPDは、喫煙等の刺激による肺の慢性的な炎症反応を基本病態とする呼吸器疾患です。日本人男性の死亡原因の第7位となっているこの疾患は、重症化すると患者の日常生活に著しい障害をもたらします。できるだけ早期に発見して重症化を防ぐ治療を始めることが重要であると言われていますが、早期診断は進んでいません。この背景には、COPDに対する社会的な認知度が低いことが問題とされています。

こうした中、厚生労働省は2012年7月に「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」の中で、COPDの認知度をメタボリックシンドローム並みに上昇させること(2011年12月に25.1%であった国民の認知度を2022年度までに80%にする)を目標として掲げ、国を挙げてCOPDの認知度向上に取り組む方針を示しています。

この結果について、GOLD日本委員会 代表理事の福地義之助医師は次のように述べています。
「2012年の認知度が上昇したことは、今年、自発的に行われた各種の啓発活動の成果と考えられます。TVや新聞の影響が大きいことから、GOLD日本委員会が後援しているCOPD啓発プロジェクト*の今後の成果にも期待が持たれます。また2013年度以降は、健康日本21(第二次)の方針のもと、自治体等が本格的に啓発活動を展開するものと考えられます。GOLD日本委員会では、これらの啓発活動のサポートを通じて『COPDの認知度をメタボ並みに』という目標を達成し、COPDの予防と早期診断、適正な治療の実現につなげたいと考えています」。

*COPD啓発プロジェクト:日本COPD対策推進会議(日本医師会、日本呼吸器学会、結核予防会、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会)、GOLD日本委員会、日本医学会が後援して2012年10月に発足したプロジェクトで、新聞、テレビ等のマス・メディアを活用した継続的なCOPDの啓発活動をめざしている。

<結果の概要>
・2012年12月のCOPD認知度は28.1%でした。
・2012年のCOPDの認知度は、昨年同期調査結果と比べて2.9ポイント上昇しました。
・2012年のCOPDの認知経路の上位は「テレビ」59人、「医師や医療関係者から聞いて」38人、「新聞」29人の順で、「テレビ」と「新聞」を挙げた人の数に、昨年同時期の調査結果(それぞれ51人と22人)と比べて増加傾向がみられました。

※調査結果の詳細については、関連資料「COPD認知度把握調査結果報告書」をご参照ください。

<調査の概要>
方法:インターネット調査
●予備調査(認知度調査)
期間:2012.12.14(1日間)
対象:マクロミル社調査パネルの中から性(男・女)、年代(20代・30代・40代・50代・60歳以上)別に1,000人ずつを均等ランダム抽出した10,000人
質問:
Q1. あなたはCOPD(シー・オー・ピー・ディー)という病気を知っていますか?
Q2. あなたは「肺年齢」の検査について知っていますか?
Q3. 「COPDの早期発見に肺年齢の検査が有効である」と言われていることを知っていますか?
●本調査(認知状況詳細調査)
期間:2012.12.15(約24時間)
対象:予備調査でCOPDが「どんな病気かよく知っている」と回答した人の中から性(男・女)、年代(20代・30代・40代・50代・60歳以上)別に11人ずつを均等ランダム抽出した110人
質問:
Q1. COPD(シー・オー・ピー・ディー)という病気について知ったのはいつですか?
Q2. どのような経路でCOPDについて知りましたか?
Q3. COPDの原因の90%以上は喫煙であることを知っていますか?
Q4. 喫煙経験のある40歳以上の8人に1人は、COPDの可能性があることを知っていますか?
Q5. COPDの主な症状は慢性的な咳と痰(たん)、息切れであることを知っていますか?

以上

【一般社団法人 GOLD日本委員会について】
一般社団法人GOLD日本委員会は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する正しい知識の普及を通じて国民の健康増進に寄与することを目的に、順天堂大学呼吸器内科 客員教授 福地義之助らが中心となって、2012年10月9日に設立されました。日本でのGOLDの活動は、GOLDが最初のガイドライン(COPDの予防、診断、治療に関するWorkshop Report)を発表した2002年にスタートし、2004年に「世界COPDデー推進日本委員会」、2007年に「GOLD日本委員会」を組織してCOPDの啓発活動に取り組んできました。本年、厚生労働省が、「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」でCOPDの認知度向上(平成34年度までに国民の認知度を80%にすること)を目標として掲げ、国を挙げてCOPDの認知率向上に取り組む方針を示したことを受け、より公的な団体として活動の幅を広げるため、一般社団法人GOLD日本委員会として再スタートしました。
一般社団法人GOLD日本委員会の詳細についてはホームページをご参照ください。:http://www.gold-jac.jp/

【GOLDについて】
GOLD (the Global initiative for chronic Obstructive Lung Disease: “慢性閉塞性肺疾患に対するグローバル・イニシアティブ”)は、世界保健機関(WHO: World Health Organization)と、米国心臓、肺、血液研究所(NHLBI: National Heart, Lung, and Blood Institute)の共同プロジェクトに、世界中の医療専門家が協力する形で始まった世界的な活動です。COPDが健康上の、また社会経済的問題として世界に多大な影響を及ぼし、さらに増大していくことを懸念して始動しました。GOLDは、医療従事者および社会一般を対象に、「①COPDについての認識・理解を高めること」、「②COPDの診断・管理・予防の方法を向上させること」、「③COPDに関する研究を促進させること」の3つを目的として活動しています。2002年から、11月中旬の水曜日を「世界COPDデー」と定め、全世界でCOPDの啓発活動を行うよう呼びかけています。
GOLDの詳細についてはホームページをご参照ください。: http://www.goldcopd.com/

【本件に関する報道関係者のお問い合わせ先】
一般社団法人GOLD日本委員会 事務局 (株式会社エム・シー・アンド・ピー内)
TEL: 03-3597-0175 FAX: 03-3597-0177
株式会社エム・シー・アンド・ピー: 本岡、 菅原
info@gold-jac.jp