AEROPRES

2013年04月17日 12時43分

センドメールの「MailCENTER」が大容量の分散ストレージと接続可能に

汎用Linuxサーバでエクサバイト規模まで拡張可能/電子メールにかかるストレージのコストを劇的に削減
センドメール株式会社(本社:東京都港区、社長 末政 延浩) は、MTA (メッセージ配送サーバ)に POP/IMAP サーバと専用データベースによるメールストアを統合したメッセージストアサーバ「Mailcenter Store」に、オブジェクトベースの分散ストレージ「Scality Ring Organic Storage」をネイティブ接続可能なコネクタを開発し、本日4月17日より提供開始します。
「Scality Ring Organic Storage」は、Scality,Inc. (本社:カリフォルニア州、以下 スカリティ社)が開発し、コモディティサーバでエクサバイトまで容易に拡張可能なストレージソフトウェア製品で、昨年7月からセンドメールが販売しています。


昨今は、多くのメールにドキュメントファイルやPDF、写真やムービーが添付されるため、メールデータ量が増大し続けており、メールサービスを提供するISPは億単位のコストでストレージを運用していますが、今後さらにメールストレージ容量を大幅に増強する必要性に迫られています。一方、ギガバイト単位で利用できるメールサービスが一般的となるなどサービス競争が激化しており、ストレージコストをサービス料金に転嫁できないのが現状です。このような中、増大するデータ量への対応はもとより、データ保全、サービス継続性などの観点でも、従来のストレージでは、設備の増強に伴う多大なコストと管理負荷が大きな課題となっています。


「Scality Ring Organic Storage」は、低価格な汎用Linuxサーバのハードディスクを活用し、エクサバイト級のストレージを構築できます。データをファイル単位ではなくオブジェクト単位で扱うオブジェクトベースストレージで、メールメッセージや画像ファイルなどの非構造データを効率的に収容できるよう設計されており、I/O速度が非常に高速です。
「Scality Ring Organic Storage」は、複数サーバで構成される分散クラスタ上にストレージプールを構築しますが、マスターサーバを持たないリング状のクラスタ構造が特長です。データは複数ノードに自動的に複製されるので、通常のバックアップが不要でデータを保全します。多層構造(マルチティア)機能により柔軟なストレージを構成可能であり、運用を継続しながらノードを柔軟に増設できるので、必要最小限の容量で導入して順次拡張可能です。拡張時のデータ再配置は自動的に行われるので運用管理の手間もかかりません。
また、データの重要性から、DRサイトを構築し遠隔地にデータを保管し有事の時に備えたいという要求も高まってきています。「Scality Ring Organic Storage」は、複数拠点間をまたがる大きいRingを作ることにより簡単にディザスタリカバリ―を実現可能です。自動的に、拠点間にデータを均等に配置することができるため、単一拠点にしか存在しないデータが発生しません。さらにMulti-Geo機能を使用すれば、拠点間のデータをレプリケーションし、最新のデータをDRサイトに反映するため、より強固なデータ保全も可能です。

例えば、200万以上のユーザ向けにWebメールを提供しているベルギーのISPであるTelnet社は、20テラバイト程度のストレージを運用していましたが、毎年100%以上の増加を見込んで「Ring Organic Storage」を導入して、低コストで300テラバイトのストレージ基盤を確立しました。これにより、エンドユーザー向けに容量無制限でサービスを提供可能となり、企業競争力を向上しました


「Scality Ring Organic Storage」は、Sendmail,Inc. (本社:カリフォルニア州 エメリビル)は、昨年7月にスカリティ社とOEM契約を締結し、大手ISP上位10社中9社がSendmail製品を導入している日本を重点市場と位置付け、Webメールやアドレス帳、スケジューラ、ドキュメント管理などを標準装備するコラボレーションプラットフォーム「VMware Zimbra Collaboration Server for Sendmail」(※1)との組み合わせで販売してきました。
今回、新たに、メッセージストアサーバ「Mailcenter Store」とのコネクタを開発したことで、主にISPをターゲットユーザとして、販売を強化します。

尚、「Scality Ring Organic Storage」用コネクタ開発と併せて、「MailCENTER 3.0日本語版」は、構成コンポーネントの中核としてPOP/IMAP/LMTP処理を行う「mstore」を64ビット化し、マシンリソースを有効に活用するよう設計改善されました。また、大規模環境向けに最適化された「Red Hat Enterprise Linux 6」に対応しました。


◆ 「Scality Ring Organic Storage」の特長と、
  ISPにとっての主なメリットは以下のとおりです。
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(1) ハードウェアコストの削減
  ・複数の汎用Linuxサーバで構築するため、大幅なコストダウンが可能です。
  ・必要な時に必要なだけノードを追加可能です。
(2) 拡張性
  ・必要最小限の容量で導入し、必要に応じてペタバイト/エクサバイト級に拡張可能です。
  ・多層構造(マルチティア)機能により柔軟なストレージを構成できます。
(3) 運用管理負荷の軽減
  ・ノードの増減によるデータの再配置が自動で行われるため、運用管理に手間がかかりません。
  ・導入時にストレージ容量計算する必要がなく、サイジングに要する時間を節約できます。
  ・運用ツールとして、WebGUIとコマンドラインが標準提供されます。
(4) 高速アクセス
  ・メールシステム用ストレージとして開発されておりI/O速度が非常に高速です。
  ・KVS(キーバリューストア)のコンセプトを採用しており、個別のデータを元に、計算によって生成されたキーを使ってノードからデータを高速に探し出します。
(5) 耐障害性・高可用性
  ・データは複数のノードにレプリカが置かれるので、1つのノードに障害が発生してもデータを損失せず、通常のバックアップが不要です。
  ・ノード間はpeer-to-peer通信でデータのレプリカを持ち合い、全データを管理するマスタは存在しないので、マスタに起因するボトルネックや単一箇所による全体障害(シングルポイント・オブ・フェイラ)がありません。
  ・サービス停止せずにノードを追加できます。

◆「Scality Ring Organic Storage」の販売について
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◇ 本体ライセンス、コネクタ販売価格:オープンプライス
◇「Mailcenter Store」用コネクタの販売・出荷開始:2013年4月17日
◇ 販売経路:センドメールのパートナ各社
  http://www.sendmail.co.jp/partner/

◆「Scality Ring Organic Storage」の動作環境
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 [ハードウエア]
 CPU:x86/x86-64
 メモリ:8GB以上
 HDD:10GB以上(ソフトウェアのインストール場所として)
 ※そのほかに「Scality Ring Organic Storage」用のディスクが必要です

 [推奨OS]
 CentOS6、RedHat6


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※1 「VMware Zimbra Collaboration Server for Sendmail」は、VMware社とのOEM契約により、Sendmailブランドで販売しているコラボレーションプラットフォームです。Ajax技術により一般的なメールソフトと同等の操作性を提供し、スマートフォンをはじめとするモバイル端末などWebブラウザが利用できる環境であれば場所を問わずに利用可能です。Linuxや仮想プラットフォームに対応し、Web上で外部アプリケーションと統合・連携させるマッシュアップ機能が特長でクラウド環境に最適化されています。詳細は以下をご参照ください。
http://www.sendmail.co.jp/products/zcs/
※2メッセージストアサーバ「Mailcenter Store」の詳細は以下をご参照ください。
http://www.sendmail.co.jp/products/mailcenterstore/
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━[報道関係者お問い合わせ先] ━━━━━━━━━━━━━━━━

センドメール株式会社   
担当:末政・谷口
marketing-japan@sendmail.com
TEL: 03-5537-0145