AEROPRES

2012年10月30日 18時27分

いわき市:「農業風評被害に関する生産者アンケート」結果まとまる

福島県いわき市では、東日本大震災からの復興と、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う農作物等の風評被害(以下、風評被害)対策を目的として、いわき見える化プロジェクト “見せます!いわき” に、昨年10月から取り組んでいます。この度、本プロジェクトの一環として「農業風評被害に関する生産者アンケート調査」を、本市内の農業従事者を対象として平成24年10月に実施し110名から回答を得ました。
風評被害の農業経営に対する影響は65.5%が「深刻」と回答
農業収入の回復度(平均)は震災前の7割弱にとどまる

福島県いわき市--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 福島県いわき市では、東日本大震災からの復興と、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故に伴う農作物等の風評被害(以下、風評被害)対策を目的として、いわき見える化プロジェクト “見せます!いわき” に、昨年10月から取り組んでいます。

この度、本プロジェクトの一環として「農業風評被害に関する生産者アンケート調査」を、本市内の農業従事者を対象として平成24年10月に実施し110名から回答を得ました。

その結果、49.1%の農業生産者が震災前と比べ「農業の規模が縮小」したと回答しました(「かなり縮小」(15.5%)、「やや縮小」(33.6%)の合計)。また、農作物の風評被害については、昨年と比べ「縮小した」という回答が60.0%であったのに対し、「変わらない」または「拡大した」と回答した人も4割に達し(「変わらない」(30.0%)、「やや拡大した」(8.2%)、「拡大した」(1.8%)の合計) 、依然として風評被害が根強く残っている様子が伺える結果となりました。さらに、風評被害の農業経営に対する影響を聞いてみたところ、「深刻」と回答した人が65.5%(「かなり深刻」(19.1%)、「やや深刻」(46.4%)の合計)にも達し、震災直前を100%とした場合の農業収入の回復度は平均69.9%と、深刻さを裏付けるものとなりました。

【調査概要】

調査名
「農業風評被害に関する生産者アンケート調査」

調査主体
いわき市 見せます!いわき情報局 見せる課 (通称「見せる課」)

調査期間
平成24年10月1日~26日

調査対象
市内の農業従事者

調査方法
アンケート調査(記入式)

回答数
110 名

回答者のプロフィール
*性別 男性 77.1 % ・ 女性 22.9 %
*平均年齢 58.3 歳
*専業・兼業 専業 46.8 % ・ 兼業 53.2%
*主な農作物(複数回答)
米37.2%、ねぎ7.1%、いちご3.8%、いんげん2.2%、トマト10.4%、いちじく1.6%、とっくりいも2.2%、きゅうり6.6%、梨1.6%、ブルーベリー 1.1%、その他26.2%

※本プロジェクトは、消費者からの信頼回復を図ることを目的としております。

調査結果

■震災前と比べ、ご自身の農業の規模はどのように変わりましたか? N=110名
画像1を参照

■風評被害は、昨年の同時期と比べてどのように変化しましたか? N=110名
画像2を参照

■現在、風評被害がご自身の農業経営におよぼす影響はどの程度ですか? N=110名
画像3を参照

■現在のひと月当たりの農業による収入は、震災直前を100%とした場合、およそどの程度ですか?
平均 69.9 % (約7割)N=110名

調査結果

■その他、風評被害対策として取り組むべきこと、伝えたいことなどございましたら、ご記入ください。

(FA)

[主な回答]

≪風評被害全般≫

-- 数値上は安全であっても、「福島産」というだけで敬遠される。
-- お得意さまだったところからも、販路は半分程度しか回復していない状況を知って欲しい。
-- 県外との取引は未だにゼロのまま。
-- 契約栽培はゼロのまま。
-- 息子に農業を継がせることをあきらめた。
-- 消費者をどのように説得すれば良いのか、分からない。
-- 消費者動向調査を実施して欲しい。
-- 風評被害対策は、震災前の状態へ戻ることではなく、震災前以上になること。
-- 生産振興、6次化等、新たないわきの魅力作りも進めたい。
-- 一緒にあきらめないで頑張りましょう!
-- 風評被害対策にもっと力を入れて欲しい。
-- まだ風評被害が残っているので、引き続きお願いします。
-- 活動を長期的に計画して取り組んで欲しい。
-- これからも、行政が主体的役割をもって取り組んでいただきたい。

≪モニタリングについて≫

-- 米の検査を徹底するのは良いことだが、出荷時期が遅れてしまうのは残念。
-- 米の検査体制の強化・拡充を希望。
-- モニタリング検査を継続して欲しい。
-- モニタリング検査の傾向を分かりやすく発信して欲しい。
-- きめ細かいモニタリング情報の発信して欲しい。
-- あらゆる農業関連の線量検査を行い、情報公開時に併せて対応方策を説明して欲しい。
-- 県外の消費者の前で、放射性物質検査を見ていただきたい。
-- 全量検査しかないと思う。
-- モニタリングの負担が大きい。

≪情報発信について≫

-- いわきの農作物は安全!と全国に発信したい。
-- テレビやラジオなど、様々な広報媒体を活用して、いわき野菜の安全をもっとPRして欲しい。
-- 直売等のイベントを数多く実施し、マスコミへの露出を増やす。
-- 新聞紙面等を活用し、放射性物質検査の結果を幅広く公表してはどうか。
-- 生産者・消費者など、数多くの声を報道して欲しい。
-- 若い世代を対象に、もっと放射能を理解できるセミナー等を開催して欲しい。

≪その他≫

-- 若い子育て世代の市民に地元産を手にとってもらえる工夫が必要。
-- 風評被害への東電補償が十分にされていない。
-- 国に現地を見て欲しい。
-- 生産者に対する保護政策を検討すべき。
-- 流通側で、農作物の原価計算をして、価格設定してもらいたい。
-- 消費者に営農現場が見える取り組みを要望。
-- 小さい農家を大切に!

写真とマルチメディア・ギャラリーはこちらをご覧ください:http://www.businesswire.com/cgi-bin/mmg.cgi?eid=50457469&lang=ja

連絡先
― 本件に関するお問い合わせ先 ―
<報道関係者のお問い合わせ先>
いわき見える化プロジェクト広報事務局
佐々木啓介・松本明也
TEL:03-6809-2685
<一般読者のお問い合わせ先>
いわき市
見せます!いわき情報局  見せる課
TEL:0246-22-1246


パーマリンク: http://www.businesswire.com/news/home/20121030005572/ja/