2012年09月06日 16時12分
今年、開催9回目を迎えた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012」。コンペティション作品を対象に、観客の皆さまによる人気投票を実施した結果、長編・短編部門作品のそれぞれの最高得点獲得作品が決定いたしました。長編・短編ともに投票結果は僅差であり、作品のクオリティの高さもさることながら、観客の皆さんにとって魅力的なラインアップであったことが印象付けられ、監督たちの今後の活躍が期待されます。
2012年9月6日
報道関係者 各位
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┃ SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012
┃ コンペティション作品 観客人気投票結果発表!
┃ 長編部門:『チチを撮りに』(中野量太 監督)
┃ 短編部門:『小さなユリと 第一章・夕方の三十分』(和島香太郎 監督)
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世界に先駆けてデジタルシネマによる才能ある映像クリエイターの発掘・支援に取り組んできました「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012」(主催:埼玉県、川口市、SKIPシティ国際映画祭実行委員会ほか)は今年7月の開催で9回目を迎え、7月22日㈰に無事閉幕いたしました。映画祭期間中は、たくさんの皆さまにご来場いただきました。コンペティション作品上映時に、観客の皆さまに得点による人気投票を実施した結果、長編・短編部門作品のそれぞれの最高得点獲得作品は以下の2本に決定いたしました。
長編・短編ともに投票結果は僅差であり、作品のクオリティの高さもさることながら、観客の皆さんにとって魅力的なラインアップであったことが印象付けられ、監督たちの今後の活躍が期待されます。貴媒体にて是非情報掲載いただけますよう、お願い申し上げます。
【監督賞・SKIPシティアワード ダブル受賞作品】
■長編部門:『チチを撮りに』(2012年/日本/74分) 監督:中野 量太
2004年「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」のスタート以来、国際コンペティションである長編部門において、日本作品として初の監督賞を受賞し、国内作品を対象に贈られるSKIPシティアワードと同時受賞した本作。
また、“映画祭から映画館へ”を掲げて、当映画祭にエントリーされた良質な作品の劇場公開を支援する「SKIPシティDシネマプロジェクト」第3弾作品にも選定されており、今回の観客人気投票結果からも、国際的な競争力をもつ監督・作品として更なる活躍と期待が寄せられています。
<作品解説>
母の佐和は「昔離婚したお父さんがもうすぐ死ぬから二人で会いに行って、ついでにその顔をカメラで撮ってきてほしい」と娘の葉月と小春に告げる。二人はほとんど記憶のない父の死に逝く顔を撮りに出発する。母娘たちの人情悲喜劇。
○監督・脚本・編集:中野量太
○出演:渡辺真起子、柳英里紗、松原菜野花、滝藤賢一、二階堂智、小林海人、今村有希、星野晶子
<観客の声>
▶ 笑って泣けて、また笑って、少し切なくなる…。久々に出会えた感情の起伏が激しくて、それでいて楽しく、心地良い作品。
▶ 重くなりそうな題材を、明るく、ユーモアを交えながらも、泣かせるところは泣かす、そして見終って元気の出るズルい作品。
▶ さまざまな伏線が、順を追って丁寧に回収されて気持ち良い。74分とは思えない密度であり、母や姉妹の心情もよく伝わってきた。
▶ 脚本も演出も素晴しく、且つ、何気ない家族の会話が秀逸で、役者の魅力が十分引き出されており、監督としての将来性を感じた。
<中野量太監督から喜びのコメント>
観客人気投票一位、この結果は本当に嬉しすぎます!
授賞式の興奮がやっとおさまったなぁと思っていた矢先、また興奮がよみがえってしまいました。
ドキドキワクワクしながら迎えた映画祭でのワールドプレミア、
上映直後におきた大きな拍手は一生忘れません。
“観客の心に届く映画を撮りたい!”
これからもこの思いを忘れず、映画と歩んで行きたいです。
『チチを撮りに』に関わって下さったすべての人に感謝!観客の皆さんに大感謝!!
・次点 :『ワイルド・ビル』(イギリス)
デクスター・フレッチャー監督
名うての暴れん坊だったダメおやじは、息子たちの信頼を勝ち取れるのか?
・次々点:『死と乙女という名のダンス』(カナダ、ハンガリー、スロベニア)
アンドレ・ヒューレス監督
迫力あるハンガリーの伝統ダンスと、兄弟の愛想劇が交錯する。
『我が子、ジャン』(トルコ)
ラシト・チェリケゼル監督
息子を愛せない母と、それでも愛情を求める息子の感動ドラマ。
【奨励賞 受賞作品】
■短編部門:『小さなユリと 第一章・夕方の三十分』(2011年/日本/26分) 監督:和島 香太郎
本年映画祭の短編部門・国内コンペティションにて奨励賞受賞作品。主人公の娘役を演じた撮影当時わずか2歳だったという子役への和島監督の驚異の演出術や美しい映像、リアルな物語に、続編となる長編への期待も高まっています。
<作品解説>
新太は元アルコール依存症の舞台役者。妻の乳がんの手術のため、数日間、2歳になる娘のユリと二人で暮らすことになる。しかしユリは慎太に懐かない…。濃密な父と娘の感動ドラマ。
○監督・脚本・編集:和島香太郎
○出演:井俣太良、はなり、立川ゆり山本佳希、毛利亘宏、三浦景虎、熊谷まどか
<観客の声>
▶ 大好きな黒田三郎さんの詩の世界が、カメラワーク、音楽を含め見事に映像化されていて素晴らしかったです。
▶ まるで絵本をめくるように美しく、心を籠めて描いたシーンが一生残る情景として次々と心に刻まれました。
▶ 原作の詩の存在は知りませんでしたが、現代の日本が抱えているテーマをリアルに描いており、
観ていてツラくなってしまうシーンもありましたが、それを乗り越えようとする父親の姿に感動しました。
▶ 子役の演技、また、美しいリアル感に包まれた演出手法も素晴しく圧巻。
続編となる第2章をいまから楽しみにしています。
<和島香太郎監督から喜びのコメント>
この映画は詩人・黒田三郎の「小さなユリと」を原作としています。
妻の入院中、夫である作者が娘のユリと過ごした日々を編んだ詩集です。
上映後、ロビーに立っていると一人の女性が声をかけてくれました。
彼女は黒田三郎さんのお孫さんで、原作に登場する“ユリ”の娘でした。
「祖父の詩はあまり詳しくないのですが、素敵な映画だったので嬉しかったです」
お世辞でないことを祈り、素直に受け取らせていただきました。
当のユリさんは日本にいることが少ないため、未だ本作をお見せできずにいます。
大人になったユリはこの映画に何を思うだろう…。その問いとともに僕は作り続けると思います。
ユリを傷つけない。ユリの心をえぐるモノを。
・次点 :『トゥルボウ』 多田昌平 監督
無職の青年が見つけたアルバイト先「赤堀商店」。
とぼけた雇主・赤堀に連れて行かれたのは、のどかな山中の畑。
そこで青年が目にしたもの、そして心に芽生えたものとは?
・次々点:『豪速球』 土屋哲彦 監督
野球部の野村は、去年卒業した先輩・安田に声をかけられる。
「伝説のエース嶋田が近所の河川敷で浮浪者になっている。
奴の球を打とう!」。脱力系青春友情スポ根ファンタジー。
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